曲げ加工に困っている人、必見!仕組みや注意点をわかりやすく解説

鋼板を曲げるための技術、曲げ加工について解説しています。仕組みや計算方法など基本的なことから、曲げ加工の注意点、曲げ加工に実績のある専門商社まで詳しく解説しています。この記事を読むことで、曲げ加工について理解でき、鋼材を要望の製品に仕上げる事が可能になります!

曲げ加工に困っている人、必見!仕組みや注意点をわかりやすく解説のイメージ

曲げ加工について、調べていますね?
曲げ加工とは、鋼板を機械で曲げる加工の事です。

耐摩耗鋼を加工して、要望の製品に仕上げるためには曲げ加工の技術が欠かせません。
曲げ加工の理解が不足すると、耐摩耗鋼の性能を活かしきれない恐れがあります。

そこで、本記事では曲げ加工についてご紹介。

この記事を読めば、曲げ加工について理解でき、鋼材を要望の製品に仕上げる事が可能になります。

曲げ加工とは?【所定の形状に変形させる技法】

曲げ加工とは、機械を用いて金属を所定の形状に変形させる技法です。

金属を機械で曲げるだけの簡単な加工に思えますが、熟練した難しい加工技術が必要。

曲げ加工は、耐摩耗鋼を加工して、製品に仕上げるために欠かせない加工技術の一つです。

そんな曲げ加工とはどのようなものか、3つの観点でご紹介します。

1ー1.曲げ加工の仕組み

まずは、曲げ加工の仕組みに関して紹介します。

曲げ加工で、金型を変形させる際に、圧力を加えた素材の片側には引張のひずみ、もう片側には圧縮のひずみが発生。

金属を曲げるために、金型を使用して特定の形に金属をプレスします。

しかし、プレスをやめると金属の弾性によって一定量、形が戻るのです。

曲げ加工を行う際には、形が戻る現象を考慮した設計が重要になります。

1ー2.曲げ加工の種類

曲げ加工には、3つの種類が存在します。
 

種類説明
型曲げ金属を金型に固定して曲げ加工を行う加工技術。
フランジ成形曲げる形状が、2次元または3次元的な曲線になる加工技術。
送り曲げ金属を金型に固定せず、工場の流れ作業の中で連続して曲げ加工を行う加工技術。

それぞれの種類に応じて、行える加工の幅が変化。

さらに、型曲げに関しては、以下の種類に分類されます。

種類説明
V曲げ金型に固定して、プレスによりV字に曲げる型曲げ。
L曲げ金型に固定して、プレスによりL字に曲げる型曲げ。
U曲げ金型に固定して、プレスによりU字に曲げる型曲げ。
Z曲げ金型に固定して、プレスによりZ字に曲げる型曲げ。
O曲げ金型に固定して、プレスによりO字に丸めて曲げる型曲げ。
P曲げ金型に固定して、プレスによりP字に丸めて曲げる型曲げ。

詳細は、後述の曲げ加工の種類を紹介するパートでご説明します。

1ー3.計算の方法

曲げ展開寸法計算方法に沿って曲げ加工の計算方法をご紹介します。
計算式は、以下の通り。

L = A + (R + t × 0.40 ~ 0.45) x 2π x θ / 360 + B

変数意味
展開寸法
A:B曲げ応力のない部分の長さ
R曲げ内R
t材料の板厚

曲げの展開寸法は、中立軸の長さを求めることにより取得可能です。

また、計算の手間を省いた簡易計算式があります。

簡易計算方法の計算式は、以下の通りです。

L = A + B + 1 / 2 t

変数意味
L展開寸法
A,B内側長さ
1/2t板厚の約半分(状況により修正)

曲げ加工を行う方法をわかりやすく解説!

ここまでは、曲げ加工の概要に関してまとめました。

次に、曲げ加工を行う方法を解説していきます。

2ー1.型曲げ

型曲げとは、金属を金型に固定して曲げ加工を行う技術のことです。

プレスした金属が一定量元に戻る、スプリングバックを考慮して設計する必要があります。

型曲げの種類を、以下に分別しました。
 

種類説明
突き曲げ金型に固定した、鋼材を上からパンチで押しこむ。
迎え巻き上げフォールディングマシンを用いて、鋼材の側面からパンチを起こすようにして、鋼材を折り曲げる。

型曲げは、基本的な曲げ加工技術として、耐摩耗鋼加工の現場で採用されています。

よく使われる加工技術なので、覚えておきましょう。

2ー2.フランジ成形

次に、曲げ加工の種類の一つとして、フランジ成形があります。

フランジ成形とは、曲げる形状が、2次元または3次元的な曲線になる加工技術です。

曲線が必要な自動車の車体などの、複雑な加工に用いられます。

フランジ成形の種類を、以下に分別しました。

種類説明
伸びフランジ成形曲げ線が内側に湾曲する。
縮みフランジ成形曲げ線が外側に湾曲する。

フランジ成形は、単純な直線上の曲げ加工よりも、難易度が高いので、事前の精密な設計が重要です。

2ー3.送り曲げ

送り曲げとは、金属を金型に固定せず、工場の流れ作業の中で連続して曲げ加工を行う技術です。

作業工程を組み合わせて、複雑な形状へ加工したい場合に向いています。

送り曲げの種類を、以下に分別しました。

種類説明
ロール曲げ3本のロールを用いて鋼材の曲げを行う。
ロール成形複数組のロールに、コイル状の鋼材を通し連続的に曲げ加工を行う。

加工工程を組み合わせる際に必要とする加工技術なので、覚えておきましょう。

曲げ加工の注意点【鋼材を無駄にしない為に】

ここまでは、曲げ加工の種類に関してまとめました。

しかし、曲げ加工を行う際の注意点が気になる人もいると思います。

次に、曲げ加工を行う際の注意点を見ていきましょう。

3ー1.【スプリングバック】金型と出来上がりの差に注意する

曲げ加工を行う際は、スプリングバックに注意する必要があります。

スプリングバックとは、金型に鋼材をプレスした後、鋼材が一定量、元の形状に戻る現象のことです。

スプリングバックを考慮しないと、金型と完成品の曲がり具合の差で製品に使えない恐れがあります。

対策として、スプリングバックの戻りを計算し、曲げ加工を行いましょう。

3ー2.曲げ加工と穴あけ加工は間隔を十分にとる

曲げ加工と、穴あけ加工を同時に行う際は、間隔を十分とるようにしましょう。

曲げ加工と、穴あけ加工の間隔が少ないと、曲げ加工の影響により穴あけ加工の穴が変形する恐れがあります。

曲げ加工と、穴あけ加工の間隔を開ける事で、意図しない形状の歪みを回避可能です。

曲げ加工をする際の、注意点として覚えておきましょう。

曲げ加工にお困りの際は鋼の専門商社まで!

これまで、曲げ加工の注意点に関してまとめました。

次は、曲げ加工を行う際に、オススメな専門商社をご紹介します。

4ー1.クマガイ特殊鋼株式会社

クマガイ特殊鋼株式会社は、創業100年以上の歴史を持つ特殊鋼の専門商社で、曲げ加工の豊富な実績があります。

特殊鋼専門商社としてトップシェアを誇る、日本製鉄の東海エリア唯一の特殊鋼厚板取扱店に認定されているのです。

プレスで曲げる型曲げや、ロールで曲げる送り曲げまで、幅広い方法に対応可能。

有名な耐摩耗鋼である、S-TEN、ABREX、WEL-TENなど豊富な鋼材が使用できます。

曲げ加工に関しては、サイトに写真付きで加工事例が乗っていますので、確認してみてください。

特殊鋼板の加工に対して、高い技術を有しており、高度な曲げ加工が可能です。

特殊鋼板の曲げ加工を検討している場合は、クマガイ特殊鋼株式会社に問い合わせてみましょう。

まとめ

曲げ加工に関して、ご紹介しました。

曲げ加工とは、金属を所定の形状に変形させる技法です。

その方法については記事内で解説しており、形状により最適な方法を選ぶことが重要。

また、曲げ加工の注意点を事前に知らなければ、購入した鋼材が無駄になる恐れがあります。

曲げ加工行う際は、加工の種類や注意点を確認しましょう。

もし、曲げ加工にお困りで自分で行うのが困難な際は、実績多数の専門商社、クマガイ特殊鋼株式会社までお問い合わせください。