形鋼の規格と寸法/アルミなど種類/読み方
形鋼ってなんだろう。どんな種類があるんだろう。疑問をお持ちの方は本記事を読んでください。読み方から規格・寸法についてわかりやすく解説します。形鋼の種類も紹介するので、何がどんなところで活躍しているのわかります。アルミ製のメリットデメリットも紹介しますよ。
目次
形鋼とは
形鋼とは、鋼材の断面を一定の形状に仕上げた鋼材です。
一般的に「形鋼」と言えば、H形鋼、I形鋼、山形鋼などがあり、頭につくアルファベットや漢字は形鋼の断面形状を表します。
使用用途に合わせて様々な種類の形鋼が存在します。どんな形鋼が、どういったところで使用されているのか知る事はとても重要です。
形鋼の読み方
形鋼は「かたこう」と呼びます。
あなたが建築・土木・機械に関するお仕事をしているのであれば形鋼に触れ合う機会は多いはずです。設計・建築現場などではごく一般的に使用される言葉なので覚えておくと良いでしょう。
形鋼の用途
形鋼は、実に様々な場面で使用されています。
皆さんが普段出入りする高層ビルやショッピングセンターの骨組みに使われているのも形鋼であり、H形鋼がよく使われています。施工方法や形鋼の選定を間違えると大変な事になる事が予想できますね。
もう少し身近な使用例をあげるなら、あなたの家の窓枠に使われているサッシです。アルミサッシは建物を支えたりするわけではないですが、あなたの生活を守る大切な形鋼だと言えるでしょう。
冒頭で形鋼について知ることが重要だと説明したのは、形鋼が私たちの命や生活を守っていると言うことができるからです。
形鋼の規格と寸法
形鋼には多くの種類がある為、規格は形鋼の種類、材質によって大きく異なります。
例えばH形鋼の場合、H形鋼だけでも使用される材質は大きく3つに分けられます。SS材、SM材、SN材です。それぞれの材質でさらに細分化されているので、規格についてはその都度調べて頂く必要性があります。溶接補強に特化した形鋼、受ける応力に合わせて使用する形鋼など様々なのです。
寸法についてはある程度共通の部分があるので解説しておきましょう。
基本的に形鋼の寸法は記号と数字で表します。
H形鋼であれば「H-200×100×5.5(t1)×8(t2)」このように表されます。最初の「200×100」H形鋼の外寸法で「縦×横」を表しています。この表記は他の形鋼でも共通です。
後ろに表記してある「5.5(t1)×8(t2)」のtとは厚みを表しています。H形鋼の場合、厚みの表記は2つあるのです。アルファベットの「H」で表現するなら、横棒の厚みをt1とし、縦棒の厚みをt2とします。H形鋼は外形寸法によって構成する鋼材の厚みはそれぞれ微妙に違います。
他の形鋼では、厚みが表記が一点だけなら、基本的には全周同じ厚みだと理解して大丈夫です。
アルミなど形鋼の種類
形鋼についてなんとなく理解できたところで、代表的な形鋼の種類を簡潔に紹介していきます。
H形鋼
断面形状がHの形鋼です。主に鉄骨造に用いられます。断面に対しての強度が高く、コスト面でも優れています。バランスの良い形鋼と言えるでしょう。
I形鋼
断面形状がIの形鋼です。基本的に、ホイストレールに使われる形鋼です。建築物の鉄骨に使われる事はありません。
山形鋼(L字形)
山形鋼は断面形状がL字の形鋼です。モノづくりの現場では「アングル」と呼ばれる事が多いです。この形鋼は補強や、簡易的な骨組みを構成する際に使用されます。H形鋼のように強度が高いわけではないので、建築物を構成する柱や梁に使用されることはほぼありません。
溝形鋼
断面形状がコの字形状の形鋼です。一般的には「チャンネル材」と呼ばれます。
このチャンネル材は様々な用途で使用されます。小梁、間柱、下地材、チャンネルベース(耐震ブレース)など、ある程度強度や信頼性が必要な場面で活躍する形鋼です。
補足 形鋼にはアルミ製のものも存在する
アルミサッシや簡易フレームだけにアルミが使用されているわけではありません。実はH形鋼、溝形鋼、山形鋼にもアルミ製のものが存在します。
アルミ製は、同サイズのスチール製のものと比較すると強度は落ちますが、メリットもあります。
・軽量、かつ加工しやすい
・腐食しにくい
・低温化での強度が強い
・仕上がりが美しい
このような感じですね。
逆にデメリットは何かというと、一番はスチール製と比べると強度が落ちることです。さらに材料費が高くなります。
アルミ製、スチール製、それぞれの特徴を使い分けて形鋼を使用する事が大切ですが、アルミ製を使用する理由が無い場合はスチール製のものを選んだ方が良いと言えますね。
今回は「形鋼の規格と寸法・種類」について解説しました。
「形鋼ってなんだろう。」「どんな種類があるのだろう。」そんな疑問をお持ちのモノ作り初心者さんのモヤモヤが解決したのであれば嬉しく思います。
本文でも解説しましたが、形鋼の種類は実に豊富です。本記事で紹介したものはごく一部です。企業によっては独自形状の形鋼を製造・販売しているところもあります。装置や機械を使用する製造現場ではオーダーメイドの形鋼が必要になる場面も出てくるかもしれませんね。
最後にもう一度言いますが、形鋼の使用用途や役割を理解し、正しく使用する事が何より大切です。間違えると大事故につながる可能性があるので注意が必要です。
創業100年以上の歴史を持つ、特殊鋼材・一般鋼材の加工・販売を手がけるクマガイ特殊鋼株式会社です。中部地区で唯一、日本製鉄の指定特約店であることを活かし、新鋼種の開発や、お客さまのものづくりに最適な鋼板・鋼材をご提供いたします。