旋削加工とは?フライス加工など切削の種類や原理を解説

旋削加工はあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、金属の加工ではもっともポピュラーな工作方法のひとつです。旋削加工の中でもいくつかの加工方法がありますが、今回は旋削加工や切削加工の特徴や種類、また旋盤加工、フライス加工について詳しく解説します。

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目次

  1. 1旋削加工とは?
  2. 2旋盤加工とは?
  3. 3フライス加工とは?
  4. 4まとめ

旋削加工とは?

旋削加工(せんさくかこう)は、回転している材料に工具を当てて移動させ、目的の形状や寸法に仕上げることができる方法ですが、基本的には丸い部品を形成する目的で使用します。旋削加工で作られる身近なものとして、ボルト、シャフトなどの製品があります。

明治時代には、この旋削加工によって工作物の加工を行っていた為、その歴史は古いことが分かります。専用工具で、対象の材料を切ったり削ったりして効果的な形に加工することを、切削加工(せっさくかこう)と呼んでいます。そして、旋削加工はその切削加工といわれる加工方法の中の一種に分類されています。

また、旋盤とは旋削加工するときに使う機械であり、工作機械ではもっともポピュラーな工作機械のひとつです。被対象物を回転させ、固定されているバイトという工具で、切削加工する工作機械です。旋盤の種類には、普通旋盤、卓上旋盤、正面旋盤、立て旋盤、タレット旋盤といったものがあります。

各種の旋盤は、対象となる品物に応じて製造され、旋削加工には外形用バイト・内径用バイト・ドリル等の工具が使われます。

旋削加工の特徴

材料を機械で回転させて、その回転させた素材に切削工具をあてることで希望の寸法と形状に削るのが旋削加工と言われる技術です。使う道具は、旋盤と呼ばれる素材を固定し回転させる機械と、それを削る「旋盤バイト」という工具を使って加工します。

旋削加工の工程

旋削加工の工程は大きく分けて以下4点です。それぞれについて解説します。
 

  • バイトの取り付け
  • チャック作業
  • 面削り・心立て
  • 切削作業

バイトの取り付け

まずバイトを取り付ける作業から行いますが、バイトとは工作物を切削するために使う刃物ことで、工作機械に取り付けて使用します。バイトは、刃物台にボルトで締めて固定します。そして、バイトの刃の高さを調整しますが、バイトの下に敷金を敷くことでセンターの高さに調整します。

チャック作業

次にチャックで工作物を固定するのですが、チャックとは旋盤の工具や工作物を固定するために使う工具で、周囲を締め付けて固定させます。チャックで固定するときは、削る箇所を外に出してハンドルを取り付けます。

面削りと心立て

面削りで工作物の端を削って長さを調節し、次に心立てをします。心立てとは、バイトが材料に対して直角に当たるように取り付け、工作物の中心にドリルで穴を開ける作業のことです。

切削作業

そしていよいよ切削作業になりますが、切削作業では、バイトで材料を削る周速度・刃物が材料に当たる面積を単位で表す切り込み量・主軸が1回転する間に刃物が移動した距離を表す送り量などを想定し、目的の切削条件を決めます。

切削速度が大きいほどきれいな仕上がりになり、短時間で切削できます。切り込み量が大きいほど、加工時間は短くなりますが、加工面は粗くなります。

旋盤バイトの構造

「旋盤バイト」は刃が一つの単刃工具であり、一般的には円筒形の加工に用いますが、加工する場所の角度などを変えることによって、円筒型以外の複雑な形に加工をすることができます。旋盤バイトは、大きくシャンクという胴体の部分と、刃先とから構成されています。作業するときは、シャンクを旋盤に固定し、材料を回転させながら刃先を接触させて加工します

旋盤バイトには刃が左にある右勝手のものと、刃が右にある左勝手のものがあります。通常では右勝手ものを使いますが、左勝手のものは外形研削する場合など、使い方が特殊な場合に使います。

加工の種類には、基本的に外径切削、端面切削、内径切削といったものがありますが、それらの切削で重要となるのが対象の材料と刃物が接する角度です。また、どんな切削条件で加工するかも重要になってきます。加工の内容と加工する材料によってバイトを選びますが、これが適正でないと仕上がりだけでなく危険が伴うこともある為、どの材料でどんな加工をするのか等正しい知識が必要です。

旋盤バイトは、刃先と胴体部分というシンプルな構成となっていますが、以下の3つの種類があります。
 

  • ムクバイト
  • 付刃バイト
  • スローアウェイバイト

ムクバイト

刃先と胴体部分が同じ素材で作られた旋削バイトで、完成バイトともいいます。素材は炭素や合金から出来ていて、刃先を研磨することで何度も使えるようになります。刃先を成形することによって、複雑な形状や特殊な切削ができるのですが、グラインダーや削盤で刃先を成形しなければならず、ある程度の技術や経験が必要になってきます。

付刃バイト

付刃バイトは、刃先と胴体部分が別のパーツになっていて、別名ロウ付けバイトともいいます。また付刃バイトは購入してもすぐには使用できず、刃先を成形する必要がありますから、初心者による扱いは難しいとされています。

スローアウェイバイト

スローアウェイバイトは、刃先と胴体部分が分かれていて、別名クランプバイトとも呼ばれています。胴体部分の先端にネジなどで取り付け、刃先の切れが悪くなった時にチップを交換することで何度も使用することができます。

このスローアウェイバイトは、刃先を研磨しなくてよいため現在の主流となっています。

切削の2つの原理

切削加工とは、切削工具を用いて対象物を切ったり削ったりする加工方法です。切削加工を除去加工と呼ぶこともあります。大きな外力によって対象物を変形させて理想の形状をつくる塑性加工とは区別しています。

切削加工は金属や木材、プラスチックなどさまざまな造形作業における一般的な加工方法です。多くは機械の力を利用した、専用の工作機械と多種類の専用工具によって行われていますが、カンナやノミといった人力による切削加工もあります。切削加工は素材の形状に合わせてさまざまな方式で使い分けられていますが、その代表的な方式を紹介していきます。

切削加工の原理には、工作物を固定しておいて工具を回転させて加工する「転削」と、工作物そのものを回転させて加工する「旋削」の大きく2つの原理に分別できます。

① 転削

転削には、代表的なものに「フライス加工」がありますが、フライス加工には、NCフライスや汎用フライス、そしてマシニングフライス、NC歯車加工機といったものがあります。

② 旋削

旋削の代表的なものが「旋盤加工」であり、その種類には、汎用旋盤、NC旋盤(CNC旋盤)があります。

旋盤加工とは?

旋盤加工とは、旋盤に取り付けたバイトと呼ばれる刃物状の工具で、回転する対象の材料を加工する技術のことを指します。

旋盤加工の方法

旋盤加工にはさまざまな加工方法があり、工作する素材の外周を円形にしたり、先細形状にしたり、穴をあけたりします。また、突切りや穴を広げる中くぐりやねじ切りなどを行うことができます。

旋盤加工の種類

旋盤には以下2点の種類があります。それぞれについて解説します。
 

  • 汎用旋盤
  • NC旋盤(CNC旋盤)

汎用旋盤

汎用旋盤は、作業者が送り操作や工具の交換を手動で行う旋盤加工です。まず、工作物を固定し、チャックと呼ばれる把持工具を高速回転させて加工します。

NC旋盤(CNC旋盤)

NC旋盤とは、予め条件を設定しておいて制御する旋盤加工で、初心者でもある程度の品質で加工することができます。また、複数の工具を自動交換できるものをあって、作業の効率化が図れます。

長い棒状の材料から同じ形状の工作物を製造するのに、従来ではカム式の自動盤が使われていましたが、最近では、プログラム制御によって加工を行うNC自動旋盤が使用されるようになりました。

フライス加工とは?

回転軸に取り付けた切削工具を回転させて、素材を削って行く加工をフライス加工といいます。ノミのように切れ刃がひとつのものをバイトといいますが、フライス加工は、多数の切れ刃を持ったフライスで加工する切削加工です。ここではフライス加工の方法や種類について解説します。

フライス加工の方法

フライス加工では工作物を固定しておいて、工具を回転させることで切削を行います。フライス加工は、表面を平面や曲面に加工することができますが、その他穴あけや溝切りといったさまざまな加工が可能です。

フライス盤は主軸の向きによって横形と縦形があり、その他にも本体が門のような形をした門形などもあります。工具は正面フライス・溝フライス・エンドミルといたものを使用して、工作物を理想的な形状に加工します。

フライス加工の種類

フライス加工にはさまざまな種類がありますが、一般的な以下4点について解説します。
 

  • 汎用フライス
  • NCフライス(CNCフライス)
  • マシニングセンタ
  • NC歯車加工機

汎用フライス

汎用フライスは、作業者が手動で操作するフライス加工のひとつです。工具と工作物とを相対的に動かすときに、作業する人が工具の位置や送る速度、切り込み量といった加工条件を判断して設定します。汎用フライスは、手動ならではの微細で高品質な仕上がりが可能な工法です。

NCフライス(CNCフライス) 

NCフライスは理想的な条件を設定し、コンピューターの制御によって行うフライス加工です。NCとは数値制御の意味です。現在では機械に内蔵されたコンピューターでNC制御を行うCNCが主流で、CNCフライスを含めてNCフライスと呼ばれています。

NCフライスは、自動運転で行われるため省力化につながり、3D CAD/CAMソフトウェアを使った加工プログラムで制御することで、さらに複雑な形の加工が可能です。

マシニングセンタ

マシニングセンタは、NC制御ができる工作機械で、1台で複数の加工が行える複合機です。直線運動と回転運動を組み合わせ、穴あけや曲面加工などの種類の違った切削を連続的に行うことで、より複雑な形状の加工が可能です。

NC歯車加工機

現在のNC歯車加工機は、コンピューターを内蔵していて、時計から自動車まで、多種多様な形状や用途に合わせた葉切り加工を行います。

まとめ

旋削加工の歴史は古く、明治時代から旋削加工によって工作物の加工をおこなっていました。切削加工は材料を切ったり削ったりする加工方法のことで、旋削加工は切削加工の一種として分類されています。本記事では、旋削加工の特徴や工程、そして切削加工である旋盤加工やフライス加工の種類などを中心に解説しました。

【旋削加工の工程】
バイトの取り付け
チャック作業
面削り・心立て
切削作業

【旋盤バイトの構造】
ムクバイト
付刃バイト
スローアウェイバイト

【旋盤加工の種類】
汎用旋盤
NC旋盤(CNC旋盤)

【フライス加工の種類】

  • 汎用フライス
  • NCフライス(CNCフライス)
  • マシニングセンタ
  • NC歯車加工機

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