「塗布する」とは?工業における意味や読み方を説明

塗布の読み方は「とふ」で、一般的には薬などを塗り付けることをいいますが、工業における塗布の意味は、濡れと固化を利用した技術のことです。また、酸やアルカリ性に対して耐久性があるフッ素などは、半導体製造装置や自動車などの部品や部材の塗布に使われます。

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目次

  1. 1塗布するとは?意味や読み
  2. 2塗布の目的
  3. 3塗布装置の種類
  4. 4まとめ

塗布するとは?意味や読み

塗布とは、「濡れ」と「固化」を利用した技術です。各種の接着剤・コーティング剤などで材料の表面を濡らすことにより、材料同士の接合や新しい機能によって表面の最適化ができる塗布は、さまざまな工業分野で活用されています。

塗布の読み

塗布は「とふ」と読み、一般的な意味は薬などを一面に塗り付けることをいいます。

塗布の意味

工業における塗布の意味は、ぬれと固化を利用した技術のことです。塗布は塗装の前処理として鋼板表面の脱脂洗浄と被膜化成工程の処理のことで、前処理は被処理物の防錆力や塗料の密着性を向上させ、塗装品質を決定づける重要な工程でもあります。

塗布の目的

ものづくりにおける塗布の目的は、大きく「接着」と「機能付与・表面処理」という2つに分類することができます。

接着する

接着とは、「接着剤を媒介して、科学的または物理的な力、またその両方によって二つの面が結合した状態」をいいます。

接着のメカニズムは、以下のように大きく3つに分けられますが、それぞれについて解説します。

  1. 科学的相互作用
  2. 物理的相互作用
  3. 機械的結合

機械的結合

材料表面の孔や凸凹に接着剤が入り込み、硬化することによって接着します。この効果のことを投錨効果(アンカー効果)といいます。

物理的相互作用

接着剤の基本的な原理で、あらゆる「分子の間の引き合う力」であるファン・デル・ワールスカ(分子間力)による接着のことです。この力のことを「二次結合力」とも呼ばれています。

科学的相互作用

被着材と接着剤の科学的な相互作用によって、「原子と原子が化学結合」することで、強い接着力を得ることができます。これを「二次結合力」といい、共有結合や水素結合などがあります。

機能を付与する

構造工程における接着以外を目的とした塗布や塗工としては、機能付与や表面処理があります。

フィルムやシート、鋼板、ガラスなど比較的に薄い基材に対し、新たな機能を付与する加工は「コンバーティング」と呼ばれています。

一般的には、塗布(塗工)・蒸着・スパッタリングなどの手法を「コーティング」といいます。スマートフォンやタブレットの端末などで使われるタッチパネルの電極や、液晶のガラスやフィルムのコーティングをいいます。また、電子基板への精密な塗布など、さまざまな分野で活用されています。

 

表面を処理する

成膜による機能のために使用する以外にも、薬剤を塗布することによって基材の表面を最適にするために「表面処理」を施すこともあります。例えば、半導体のウェハにレジストを塗布する前に薬剤を塗布しますが、そうした疎水加工といったものがあります。

塗布装置の種類

モノ作りにおける塗布は、被塗材や塗工材料、塗工目的の条件にあった塗装装置を選択します。塗布装置のことをコータともいいますが、今回は以下の7種類のコータについて紹介します。

  1. ロールコータ
  2. スプレーコータ
  3. ディスペンサ
  4. 塗装ロボット
  5. スピンコータ
  6. インクジェッター
  7. スクリーン印刷

ロールコータ

フィルムやシートへの薄膜コーティング、多層ダイといった多種類のコータが注目を集めていますが、ロールコータは、平面状の材料への塗布を目的とし、複数のローラーを組み合わせることによって、適切な塗工面に仕上げることができる方式です。

ローラーを用いた塗工方法に関しては、多種多様な技術があるのですが、それらの組み合わせと細分化を図ることにより、さまざまな粘度の塗液・コーティング膜厚に施工することができます。

それによって、電子部材、光学、液晶製品など、さまざまな産業用途にて利用されている方式です。ロールコータの方式は、塗工前の塗工液や塗工量の状態が塗工前か後によって分類することができるようになっています。また、複数の方式を組み合わせたような塗工方法もあります。
 

スプレーコータ

スプレーコータは、霧吹きによるコーティング手法で、塗液を霧状にしてワーク(基材)に塗布する方法です。

装置の高度化や多様性といったものによって、タッチパネルの透明伝導膜などのコーティングから、太陽電池の部材や半導体のフォトレジスト塗布まで色々な用途で使用されます。

 

ディスペンサ

ディスペンサは、ロボットを用いて高度な自動塗布を実現するもので、たとえば製造業で使用されるディスペンサは、塗液定量吐出装置やそのシステム全体の総称です。

塗液を高精度に供給制御するコントローラーを中心に、塗布する材料に応じて、色々なバレルやポンプ、ノズルやニードルといったものから構成されています。また、塗液の性質によってさまざまな方式が適用されています。
 

塗装ロボット

塗装工程では車体への意匠だけでなく、機能付与のコーティングも行われています。その際に使用されているのが高性能な塗装ロボットです。

塗装ロボットは、自動車業界はもちろんファクトリーオートメーションの塗装において用いられていて、自動化や高効率化が進んだ塗工手段です。
 

スピンコータ

半導体ウエハなどへのコーティングや表面処理は、装置の回転遠心力を利用して塗布します。スピンコータはスピナーとも呼ばれています。

平滑は被塗物(ワーク)に対して、薄く均等な塗膜を得ることができます。代表的な用途では、半導体ウエハの表面処理やレジスト塗布といったものから、光学式メディアのコーティング、レンズへのプライマや調光式液の塗布など、さまざまな用途があります。

 

インクジェッター

版不要の高精細オンデマンド印刷技術を応用し、精密なパターン塗布が可能となります。高精細オンデマンド印刷などの、インクジェット印刷機の仕組みを応用した塗布装置で、塗材・材料の液滴を飛ばして被塗物に塗布します。

微小量の塗布や精密パターンの塗布で使用され、材料の無駄を極力抑えることができます。また、一般的なコータと比較すると、インクジェット方式の最大のメリットは、CADデータなどから製版なしで精密なパターンの塗布ができることです。

 

スクリーン印刷

スクリーン印刷を利用した印刷技術を利用することで、精密パターンの塗布を行うことができます。スクリーン印刷は、ポリエステルなどの合成繊維、またはステンレスや各種金属繊維で織ったスクリーンメッシュを用いた版を使用する印刷方式です。

まとめ

今回は、塗布について読み方や意味、そして塗布するとはどういうことなのか、また塗布の目的である「接着」と「機能付与・表面処理」の2つの目的などを解説しました。

  • 塗布とは、「濡れ」と「固化」を利用した技術です。
  • 塗布は「とふ」と読みます。
  • 塗布の目的は、大きく「接着」と「機能付与・表面処理」という2つに分類することができます。

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