圧延とは?鋼材のプロがわかりやすく解説!

圧延は、「圧力をかけて延ばす」技術です。高度や断面も必要に応じてさまざまに加工できるため、飲料缶、アルミホイル、自動車のパネルなど幅広い分野で使用されてこの記事では、圧延の歴史や適切な方法と種類についての知識を紹介します。

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目次

  1. 1圧延技術の歴史
  2. 2圧延とは?長さ1kmの金属板の製造も可能!
  3. 3圧延機について解説!目的に合わせてロールの配置と材質を決める
  4. 4圧延の種類【形状に合わせて適切な種類を選ぶ】
  5. 5圧延加工にお困りの人は鋼材のプロに相談!
  6. 6まとめ

圧延について、お調べですね。

圧延は、読んで字のごとく「圧力をかけて延ばす」技術です。

高度や断面も必要に応じてさまざまに加工できるため、飲料缶、アルミホイル、自動車のパネルなど幅広い分野で使用されています。

ロール圧延、ユニバーサル圧延、孔型圧延、マンネスマン穿孔圧延の種類があるので、適切な加工方法を選ばなければ想定した製品は作れません。

本記事を読むことで、圧延の歴史や適切な方法と種類についての知識を得られます。

圧延に関する知識をつけ、最適な加工方法で高品質な鋼材を制作しましょう。

圧延技術の歴史

圧延技術の歴史

圧延機は古くから存在していました。

ヨーロッパで最初に実用化された金属圧延機は、中世教会のステンドグラス用鉛縁を成形加工する手動圧延機であったと言われています。

圧延技術に関する知識をつけるために、まずは歴史をみていきましょう。

技術の進歩と共に生産性が向上

技術の進歩と共に生産性が向上

圧延機は技術の進歩と共に生産性が向上しています。

19世紀前半は、蒸気力駆動の二重式圧延機によるブリキ板用薄鉄板の製造がイギリスで盛んでした。

20世紀に入ると、アメリカで缶詰用ブリキ板や自動車車体用の薄鋼板の需要が急増。

量産性と高寸法を満たすために、ストリップ・ミルとよばれる広幅帯鋼の連続圧延方式が、1920年代以降急速に発展していきます。

ストリップ・ミルとは、厚い鋼板から帯状の薄い鋼板(ストリップ)を製造する連続式圧延機のことです。

熱間方式で1.2mm程度に、冷間方式ではさらに薄く圧延できるようになりました。

さらに、両者の組み合わせにより鋼片から最小0.2mm程度のものが自動的に生産されるようになったのです。

このように圧延は、技術の進歩と共に生産性が向上した加工法と言えます。

このように圧延は、技術の進歩と共に生産性が向上した加工法と言えます。

圧延とは?長さ1kmの金属板の製造も可能!

引用:モノタロウ

圧延は長いものだと、1kmにも及ぶシート状の圧延品を製造することも可能になります。

圧延機の精密な機械制御が可能なため、目的に応じた均一な圧延製品が製作可能です。

圧延は自動車や家電品のボディなど、さまざまな製品の製造に利用されています。

金属の塑性を利用して材料の断面積を減少させる加工方法

圧延は金属の塑性を利用して、材料の断面積を減少させる加工方法です。

金属は弾性という性質を持っており、力を加えても元の形に戻ろうとします。

しかし、弾性の限界値を越えた力が加われば金属は元の形に戻れません。

この性質を塑性と言います。

冷間圧延と熱間圧延の違い

冷間圧延と熱間圧延の違い

圧延にある冷間圧延と熱間圧延の技法は、加工難易度と品質がトレードオフの関係といえます。

熱間圧延では素材が軟化しているので変形抵抗が小さいのが特徴です。

金属が断裂するリスクが低く扱いやすい製法と言えます。

一方、軟化させて成形するので、表面の仕上げの均一さは冷間圧延に劣るのが欠点です。

対して、冷間圧延は、表面を美しく均一に仕上げることができます。

なので、自動車の車体や家電品のボディなど、見た目の美しさと厚みの均一性が求められる場合に使用される技法です。

しかし冷間圧延では、機械自体の変形を避けるため剛性が求められる課題もあります。

このように冷間圧延と熱間圧延は、加工のし易さと品質でトレードオフの関係にあるのです。

圧延加工が利用される製品例

圧延加工が利用される製品例

圧延加工は、用途によって0.004mmの極薄から6mmまでの厚みに加工できるので、様々な製品加工に最適です。

身近な製品では飲料缶、アルミホイル、自動車のパネルなどが圧延加工で作られた製品です。

このように圧延加工は、工業品から日用品まで幅広い製品で利用されています。

圧延機について解説!目的に合わせてロールの配置と材質を決める

圧延加工が利用される製品例

圧延機とは、ロールの配置と材質により目的の圧延を行うための機械です。

ロールの配置や材質によって、扱える材料や鋼板の仕上がりが異なります。

ここからは、ロールの配置と材質の種類について見ていきましょう。

ロールの配置

ロールの配置

圧延機はロールの配置位置や本数によって加工結果が変わるので、幅広い精度や予算に対応できます。
 

ロール配置 用途
二重式ロール 単純で基礎的なロールの配置です。
薄板圧延、粗圧延用などに用いられます。
三重式ロール 3つのロールで材料を往復して圧延することができるので、条鋼や鋼板の加工に用いられます。
四重式ロール ロールの数を4つ配置して圧延に掛かる力を効率化した配置です。
薄い幅広の帯鋼板の加工に適しています。
六重式ロール ローラーを六重に重ねて、圧延に掛かる力を増やすロール配置です。硬くて薄い鋼板の圧延に適しています。
 多重式ロール ローラーを多重構造にすることによって、硬い板を精度よく加工する用途に使われます。
プラネタリーミル 材料の回転を止める代わりにロールが公転ガイドの中を運動しながら材料の周囲をまわりって加工。線材の加工に使われます。

複雑な構造のロール配置ほど、細さや薄さを求めることが可能です。

しかし、その分設備が複雑になるのでコストが増えます。

圧延機のロール配置を変更することで、予算や求める精度に対応できるのです。

ロールの材質

ロールの材質

ロールは、鋼板の強度によって求められる材質が異なります。

圧延中にロールが折れないように、加工対象に合わせて適切な強度が必要です。
 

ロール材質 特徴 用途
鋳鉄ロール 耐摩耗性は高いが強度はあまり高くない。コストが低い。 他のロールよりコストが低いので求められる強度が低い圧延には適している。
鋳鋼ロール 耐摩耗性に優れ、耐熱性も高い。
広い範囲の圧延に使用。
耐熱性が高いので熱間圧延に使用。
鍛鋼ロール 硬度が高い。 強度の必要な、冷間圧延用のロールに用いられる。

コスト・耐熱性・硬度の観点でそれぞれに違いがあることがわかります。

強度が必要な冷間圧延には、鍛鋼ロール、強度の低い金属加工にはコストの低い鋳鉄ロール、熱間加工などロールの金属素材に汎用性が求められる際は鋳鋼ロールなど、目的を考慮して適切な材質を選びましょう。

圧延の種類【形状に合わせて適切な種類を選ぶ】

圧延の種類【形状に合わせて適切な種類を選ぶ】

圧延は適切な形状にするために、ロールの配置位置が異なる加工方法を目的・用途に合わせて選択する必要があります。

平たく薄い製品が欲しい場合は上下でのロール圧延、H型鋼の加工には上下左右から圧延するユニバーサル圧延など加工形状に合わせた種類を選択しましょう。

ロール圧延

ロール圧延

ロール圧延は、一番シンプルな構造の圧延方法です。

筒状の起伏がないロールで、上下から圧延します。

鋼板などの平面で、均一な表面の加工に適した圧延方法です。

ロール圧延は、単純な金属の引き伸ばしに適した圧延方法と言えます。

ユニバーサル圧延

ユニバーサル圧延

ユニバーサル圧延は、H型鋼材のような複雑な形の加工に用いる圧延方法です。

水平と垂直にロールを配置して、上下左右のロールで圧延します。

ユニバーサル圧延は、H型鋼の加工に使われる圧延方法です。

横方面に窪みを作る、複雑な圧延に適しています。

孔型圧延

孔型圧延

孔型圧延は、凹凸のあるシート状製品の加工に用いる圧延方法です。

凸凹のあるロールを使用して、ロール形状にあわせた凸凹をつけることができます。

鋼矢板のような、段差のある鋼材製作で使われる圧延方法です。

凹凸のある鋼材加工を求める時は、孔型圧延が適しています。

マンネスマン穿孔圧延

マンネスマン穿孔圧延

マンネスマン穿孔圧延は、空洞のある棒状製品の加工に用いる圧延です。

傾斜したロールで、横に配置した棒状の金属に沿うように圧をかけて、空洞のある棒状金属を製作することができます。

マンネスマン穿孔圧延は、鋼菅の加工に利用される圧延方法です。

空洞のある棒状金属の加工は、マンネスマン穿孔圧延が適しています。

圧延加工にお困りの人は鋼材のプロに相談!

圧延加工にお困りの人は鋼材のプロに相談!

圧延加工に自信がない人は、プロへの依頼も検討しましょう。

加工のプロである鋼材専門業者であれば、経験豊富な技術を元に精度の高い加工対応が可能です。

クマガイ特殊鋼株式会社|あらゆる鋼材加工に対応可能

クマガイ特殊鋼株式会社|あらゆる鋼材加工に対応可能

クマガイ特殊鋼株式会社は100年以上の歴史があり、圧延に対する経験や知識も豊富にあります。

業界の長い歴史で培われた基盤と幅広い知識を元に、あらゆる鋼材加工に対応可能です。

圧延加工では、素材の選定、加工方法の選択が求められます。

目的にあった素材の選定や、加工方法の選択に自信がない場合はクマガイ特殊鋼株式会社に相談しましょう。

まとめ

圧延とは、塑性を利用して金属を延ばす加工です。

目的の形状によって、使用する圧延機のロール配置が変わります。

また、加工対象の金属によって熱間・冷間の工法の選択や、使用するロールの選定も必要です。

圧延におけるメリット・デメリットを理解した上で、目的に合わせた最適な方法を選択しましょう。

もし、圧延加工にお困りの場合は、実績多数の専門商社クマガイ特殊鋼株式会社までお問い合わせください。

プロとして最適な圧延方法の提案や製品を提供致します。

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