フライス加工とは?種類や特徴など基礎を解説

日本がものづくり大国と呼ばれている理由の1つに、加工技術の進化があります。様々な加工技術の中でも旋盤を使用した旋削加工と並び、機械加工の基本とも呼ばれるのがフライス加工です。本記事ではフライス加工の特徴や加工技術について、また加工の種類について解説します。

フライス加工とは?種類や特徴など基礎を解説のイメージ

目次

  1. 1フライス加工とは?
  2. 2フライス加工の種類
  3. 3まとめ

フライス加工とは?

フライス加工とは?

フライス加工とはどのような加工なのか?旋盤加工とどこが違うのか?など、フライス加工の基本について解説します。こちらで解説する内容は以下です。

【フライス加工とは】

  1. 切削加工のひとつ
  2. 転削の代表な方法
  3. フライス盤を使う
  4. 加工できる物の形状
  5. 様々な加工ができる


 

フライス加工の特徴

フライス加工とは、工作物を固定して工具(切削工具)を回転させながら削る加工の事を指します。例外はありますが、一般的には作業台に固定する事が出来れば様々な形の工作物を加工することが可能です。また、その中でも切削と呼ばれる、素材を刃物によって削り取るような加工は総称して「切削加工」と呼ばれています。

①切削加工のひとつ

切削加工は以下2種類に分類されます。
 

  • 旋盤加工
  • 転削加工

旋盤加工はワーク(加工対象)を回転させながら加工を行うもので、転削加工は刃物や工具を回転させて加工を行う方法です。また、旋削加工の多くは旋盤での加工が主流なのに対し、転削加工はその用途や方式によってフライス加工やボブ加工など様々な機械によって加工されます。

②転削加工の代表的な方法

フライス加工は転削加工の代表的な手法です。転削加工の定義は「刃物の回転による加工」のため、一見するとまったく違った加工に見えるものもありますが、すべてれっきとした「転削加工」です。
 

③フライス盤を使う

フライス盤とはフライス加工の基礎となる工具回転を生み出すことのできる加工機で、一般的にフライス盤のは、刃物を回転させる動力と製品を固定し動かすことのできる「テーブル」と呼ばれる構造を持った加工機を指します。さらに刃物を傾けて加工できるなど、多機能なフライス加工に対応したフライス盤などは「多機能フライス」と呼ばれる場合もあります。

④加工できる物の形状

フライス加工では旋盤などの旋削加工と比較して、実に多種多様な形状を加工することが可能です。旋削の場合は加工対象が回転するため、加工できる形状は円周上に均一なものとなり、円周上に異なった形状を作り出すことはできません。しかしフライス加工の場合は様々な工具を使用し、加工の方向を工夫することで旋削加工では実現できなかった形状なども、簡単に加工することができます。

ただし、加工面の粗さを滑らかに仕上げるには旋削加工と比較して難しい傾向があります。たとえば王冠のような形状も、フライス加工では簡単に加工することができます。このような形状は旋盤による旋削加工では対応することが難しく、フライス加工の得意とする加工のひとつです。
 

⑤様々な加工ができる

フライス加工は非常に多くの形状を加工できる優れた加工方法です。また、旋盤加工で加工できる形状であってもあえてフライス加工に置き換えることで、面粗さや加工精度といった製品の質を向上させることが可能な場合もあります。

また、ねじの加工は旋盤で加工されることが多いですが、あえて専用の工具を使用しフライス加工を行うことで、旋盤では切削抵抗が大きく面粗さが悪かったり精度にばらつきが生じる場合などには有効な対策となる場合もあります。加工工程を集約することで加工時間の短縮や、精度の向上にもつながります。

フライス加工の主な加工方法

フライス加工の代表的な加工方法は以下4点です。それぞれについて詳しく解説します。
 

  1. エンドミル加工
  2. フェイスミル
  3. ドリル加工
  4. 溝加工専用工具

①エンドミル加工

エンドミル加工はもっともシンプルな転削加工です。先端がフラットな形状の刃物を回転させながら対象となるワークを削っていきます。エンドミルの特徴としては、三軸方向(上下・左右)すべてに対応していることです。後述するフェイスミルとの最大の違いは、この加工の方向性であるといえます。

またエンドミル(工具)自体は非常に精密に作られており、加工精度や面粗さなど図面要求を充たす加工を行うために必要な工具です。

②フェイスミル

加工物の表面を平らにすることに特化した転削工具です。先述したエンドミルと違い、縦方向の加工には対応できませんが、加工物に対し面を成型することに特化した工具としてフライス加工では欠かせない存在です。エンドミルよりも、平面の面粗さをよりきれいに仕上げることができます。

③ドリル加工

機械加工の基礎ともいえるドリル加工ですが、実は転削加工の一種です。ドリルによる加工は旋盤でも行うため、一見すると転削加工をイメージしにくい工具かも知れません。しかし、転削加工の定義はあくまでも「工具の回転による加工」のため、ドリル加工も使い方によっては転削加工工具と位置づけられることになります。
 

④溝加工専用工具

複数の刃のついた専用工具によって、製品に溝を加工する手法です。エンドミルなどでも対応できる場合もありますが、求められる形状によってはこうした専用工具を使用する必要があります。

フライス加工の種類

フライス加工のできる機械の種類

ここからは、フライス加工に使用する加工機の種類について解説します。フライス加工は旋盤加工と並ぶ機械加工の基礎ともいえる加工ですが、旋盤加工と比較すると、加工形状・加工方法ともに非常に豊富な加工を行うことができるという特徴があります。

このような数多くの加工を可能にしているのが、加工内容によって使い分けられる豊富な加工機です。こちらで解説する加工機は以下4点です。
 

  • 汎用フライス
  • NCフライス
  • マシニングセンタ
  • NC歯車加工機

 

汎用フライス

汎用フライスはフライス加工の基礎といえる加工機です。昭和初期から高度成長期初頭はフライス加工機といえばこの汎用フライスが主力でした。汎用フライスの基本的構造は刃物を回転させるための主軸モーターと、加工対象を移動させるためのテーブルモーター、その動きを制御している歯車などです。

以前はフライス加工機の花形であった汎用フライスですが、現在ではフライス加工の主力は他の加工機に移行しており、汎用フライスの出番は減少傾向にあります。

NCフライス

汎用フライスの弱点であった、加工の再現性や加工者の違いにより発生する加工精度の誤差を改善すべく、開発されたのがNCフライスです。これまで職人の手加工の技術に依存していた加工の多くの要素を、数値コントロールすることで解決した新しいフライス加工機です。

特徴はこれまでの汎用フライスでは、すべて作業者が手動で行っていた刃物の回転操作や加工用のテーブルの移動、刃物の高さの移動などをすべて数値でコントロールできるようになったことです。これにより加工精度は飛躍的に向上しただけでなく、これまで職人の勘に頼っていた加工条件などを数値で管理することができるようになり、加工の寸法精度や面粗さなどの加工の基礎的要素の向上にも大きく貢献しました。
 

NCフライスのNCとは?

NCフライスのNCは「Numerical Control」の略で、日本語では数値制御と訳されます。つまり、NCフライスとは数値制御されたフライス盤のことを指します。このNCという略は旋盤加工の場合にもたびたび使用されます。通常機械加工の世界ではNCといえばNC旋盤のことであり、数値制御装置が最初に導入されたのも旋盤でした。

NCフライスをはじめとする数値制御機器には必ず加工機本体とは別に「制御盤」と呼ばれる各部品の制御をつかさどる装置が組み込まれています。この制御盤の仕組みは基本的にはどのメーカーも同じなのですが、各メーカー毎に特色がありそのメーカーの機械との愛称などを加味し、開発が行われています。

マシニングセンタ

マシニングセンタは先ほどのNCフライスをさらに進化させたフライス加工機です。最大の変更点はこれまでのフライス加工機が一度に取り付けることのできる刃物が1種類であったものを、同時にたくさんの工具や刃物をセットでき、必要に応じて自動で取り替えるといった機能を持ったことです。これにより、これまでは一つの刃物(工具)毎に段取りがえを必要としていた加工工程を、省略できるようになりました。

また加工に必要な数値的な制御も飛躍的に進化し、より複雑な形状やより高精度な加工ができるようになりました。加工精度の向上に伴い、設置される場所や環境にも変化が生まれました。これまでは工場の基盤の上に置いただけで、使用される事の多かった加工機ですが、より高性能な機械となったことで通常の基盤ではなく、振動対策などを施した専用の基盤の上に設置するなどの対策が取られるようになりました。

NC歯車加工機

フライス加工機の中では異色の存在ですが、れっきとしたフライス加工機の一つです。スプロケットなどの簡易な歯車であれば、数値制御可能なフライス加工機でも十分に対応することが可能です。また3軸や4軸などの同時制御が可能な加工機であれば、ある程度複雑な歯車も加工することはできます。しかし、それらの工法では難しいプログラミングが必要であったり、そもそも歯車の基礎であるモジュールなどの意味を理解する必要があります。このような複雑な加工を簡便に行えるのが、NC歯車加工機です。

使用するのは加工する歯車ごとに専用に設計された「ボブ」と呼ばれる工具です。この工具を機械に取り付け製品と同時に回転させながら加工を行うことで、任意の形状の歯車を簡単に形成することが可能です。またエンドミルなどの加工と比較し、面の面粗さや各歯車間の位置関係の制度が優秀であることも歯車加工機の特色です

まとめ

まとめ

【フライス加工とは】

  • 切削加工のひとつ
  • 転削の代表的な方法
  • フライス盤を使う
  • 加工できる物の形状
  • 様々な加工ができる

【切削加工は2種類】
  • 旋盤加工
  • 転削加工

【フライス加工の特徴】
  • 切削加工のひとつ
  • 転削加工の代表的な方法
  • フライス盤を使う
  • 加工できる物の形状
  • 様々な加工ができる

【フライス加工の主な加工方法】
  • エンドミル加工
  • フェイスミル
  • ドリル加工
  • 溝加工専用工具

【フライス加工の種類】
  • 汎用フライス
  • NCフライス
  • マシニングセンタ
  • NC歯車加工機

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング