【EVERHARD】低温靭性・耐摩耗性に優れる鋼材を紹介!

耐摩耗性に優れた、JFEスチール株式会社のEVERHARDという鋼材について、わかりやすく解説しています。特徴から価格、適用事例まで網羅的に紹介。この記事を読むことで、EVERHARDの特徴がわかり、摩耗の激しい箇所に対してどの鋼材が適切か判断できる様になります。

【EVERHARD】低温靭性・耐摩耗性に優れる鋼材を紹介!のイメージ

目次

  1. 1EVERHARDとは
  2. 2EVERHARDの特徴
  3. 3EVERHARDの価格
  4. 4EVERHARDの注意点
  5. 5EVERHARDの適用事例
  6. 6まとめ

ブルドーザーのバケット部品であるウエアプレートを製造する際にどの鋼材が適切なのか、検討中ですね?

工作現場の機械は、日々稼働する事で部品の摩耗にさらされます。

摩耗した部品交換のコストは、積み重なると経済的に馬鹿になりませんならないですよね。

数ある鋼材の内、優れた性能を発揮するのが、EVERHARD(エバーハード)なのです。

普通鋼と比べて丈夫で長持ち、その上、軽い!

この記事を読めば、EVERHARDの特徴がわかり、より適切な鋼材選びができるようになります。

ぜひ参考にしてみてください。

EVERHARDとは

EVERHARDとは

EVERHARDとは、建設、鉱山、輸送機械の重要部材として使用される耐摩耗性鋼板です。
 
耐磨性鋼板とはその名の通り、磨耗に非常に強い性質を持った鋼になります。
 
社会インフラを支えるために無くてはならない、土木・建築用機械や産業機械、資源採掘現場で使用されているのです。
 
EVERHARDは、耐磨性鋼板の中でも、さらに耐摩耗性に優れます。
 
低温靭性にも優れ、絶対零度以下の環境に耐える品質保証有り。

メーカーは、JFEスチール株式会社で、鉄鋼業界の企業規模を測る指標に適した粗鋼の年間生産量が、日本トップクラスのメーカーです。
 
EVERHARDは、50年以上に渡り生産販売されている、息の長い商品になります。
 
国際市場にも流通しており、日本が誇る世界に通用する鋼材です。

EVERHARDの特徴

EVERHARDの特徴

ここまで、EVERHARDの概要についてご紹介しました。

次に、主たる3つの特徴に関して、一緒に確認していきましょう。

2ー1.耐摩耗性に優れ、長寿命化・軽量化を実現

耐摩耗性に優れ、長寿命化・軽量化を実現

EVERHARDは、一番の特徴は耐摩耗性に優れている点でしょう。

工作現場で酷使される環境に耐え、使用部品の長寿命化・軽量化が実現可能です。

EVERHARDのミクロ組織制御技術に加え,独自の硬質粒子分散技術により品質達成しています。

なので、普通鋼に比べ、3~6倍の耐摩耗性があるのです。

2ー2.低温靭性があり、極寒環境でも使用可能

低温靭性があり、極寒環境でも使用可能

EVERHARDは、低温靭性に優れ、−40℃の極寒環境で問題なく使用できます。

EVERHARDの独自のマイクロアロイング技術と、熱処理技術によるミクロ組織の微細化により品質達成しています。

寒冷地での工作現場でも、安全性向上や長寿命化が実現可能。

工作現場から求められる、幅広い環境で使用可能な製品特徴です。

2ー3.溶接性・加工性があり、製作工程がシンプルに

溶接性・加工性があり、製作工程がシンプルに

EVERHARDは、溶接性・加工性に優れます。

溶接性に優れることで、溶接施工時の溶接低温割れを発生させることなく溶接可能です。

加工性に優れることで、工作機械の使用部品に合わせた形状に加工しやすくなります。

EVERHARDを使用することで、製作工程をシンプルにできるのです。

なので、製作コストを抑えることができます。

EVERHARDの価格

EVERHARDの価格

EVARHARDの価格に関しては、専門分野向け商品であるため、明確な価格が公開されていません。

購入を検討する際は、こちらよりメーカーに問い合わせてみましょう。

クマガイ特殊鋼株式会社

EVERHARDの注意点

EVERHARDの注意点

EVERHARDは優れた特徴を持つ鋼材ですが、使用や保管に関して注意点があります。

適切な品質を保ったまま使用するために、何に気を付ければ良いか一緒に見ていきましょう。

4ー1.保管の際は防水シートをかける

保管の際は防水シートをかける

EVERHARDを保管する際は、防水シートをかける必要があります。

なぜなら、割れの原因である腐食によるピッティングと錆を防止するためです。

防水シートは、内部の湿気を取り除くために時々換気する必要があります。

材料が劣化すると、意図した性能の部品に加工できないので、注意して保管しましょう。

4ー2.溶接の際は低音割れに留意する

溶接の際は低音割れに留意する

EVERHARDを、部品に加工する際の溶接時は、低音割れに留意する必要があるでしょう。

低温割れとは、溶接により鋼材に侵入した水素によって脆化した溶接金属や溶接熱影響部に生じる割れのことです。

溶接時に、低音割れを起こすと部品として使えなくなってしまいます。

EVERHARDは高硬度・高強度な鋼板であるため、低音割れを起こしにくい材料です。

しかし、一般的な鋼材と同じように、適切な施工が必要になります。

対策としては、溶接材料の選定や管理などとともに鋼材に対して適正な予熱を行なうことにより、割れの防止は可能です。

溶接加工する際は、予熱管理に注意しましょう。

4ー3.溶接部のアンダーマッチングに留意する

溶接部のアンダーマッチングに留意する

EVERHARDを、溶接加工する際はアンダーマッチングに留意する必要があります。

なぜなら、鋼材の耐摩耗性の向上を目的として高い硬度が得られるような設計のため、溶接部の硬度が母材耐摩耗鋼と比較して低くなるからです。

アンダーマッチングとは、溶接部の硬度が母材(耐摩耗鋼)よりも低くなる状態のこと。

反対に、溶接部の硬度が母材(耐摩耗鋼)よりも高くなる状態をオーバーマッチングといいます。

EVERHARDを始めとして、耐摩耗鋼はオーバーマッチングで溶接することが困難です。

耐摩耗鋼は、低温割れに対して耐性があるので、溶接時の割れ発生のためには、アンダーマッチングでの溶接が推奨されます。

4ー4.硬化肉盛りは可能だが注意が必要

硬化肉盛りは可能だが注意が必要

EVERHARDに硬化肉盛り(ハードフェーシング)を施すことは可能ですが注意点があります。

硬化肉盛りとは、溶接時の母材金属にアーク溶接またはガス溶接などを利用して、特殊用途の合金を溶着することです。

EVERHARDに硬化肉盛りを行う場合は、以下の点に注意しましょう。
 

  • 肉盛りにブローホールを発生させないために、さびや油分・砂分などの汚れは予め完全に取り除いておく。
  • 溶接割れを防ぐために、予熱処理だけでなくパス間や後熱処理における温度管理にも注意する必要がある。
  • 所定の肉盛り層の硬さを確保するためには、下盛りを施すことが効果的な方法。
  • 拘束を適切に用いて、間欠溶接(飛ばし溶接)や溶接ビードが対称になるような手順で溶接を行うとひずみを最小限にできる。

硬化肉盛りを行う際は、適切な対策を行いましょう。

EVERHARDの適用事例

EVERHARDは、ロングセラーの耐磨性鋼板のため、様々な工作機械に利用されています。

低温靭性・耐摩耗性に優れた特性を持つEVERHARDがどのように使用されているのか。

具体的な適用事例をこれから一緒に見ていきましょう。

5ー1.建設・自動車工業の工作機械

建設・自動車工業の工作機械

EVERHARDは、建機・土木の工作機械に対しては以下の部品箇所で使用できます。

ブルドーザー、ショベルカー

ブルドーザーやショベルカーは工作現場で使われる機械です。

両者は、一般的にも馴染みの深い工作機械ですよね。

ブルドーザー、ショベルカーには、例として以下の部品箇所で使用できます。
 

部品箇所 部品の説明
バケット アームの先端に取り付けられた、土をすくう工作用のカゴです。
排土板 工作機械の前面に取り付けられた、土を押し出すための板です。
バケットの外張り パケットを囲う外張りのことです。

トレーラー

トレーラーとは、工作現場に必要な資材を運ぶ際に使用されます。

トレーラーには、例として以下の部品箇所で使用できるのです。
 

部品箇所 部品の説明
台車 トレーラー後方に連結して、運搬物を乗せるための台車のことです。

ダンプ、トラック

ダンプやトラックは、貨物の運搬に使われる車両です。

ダンプ、トラックには、例として以下の部品箇所で使用できます。
 

部品箇所 部品の説明
ベッセル 車両後方に取り付ける運搬用の箱のことです。

ドレッジャー

ドレッジャーとは、浚渫工事の際に水底の土砂を掘り取る〈浚渫〉船のことです。

ドレッジャーには、例として以下の部品箇所で使用できます。
 

部品箇所 部品の説明
バケット アームの先端に左右対称に取り付けられた、物をつかんで運ぶためのカゴのことです。

5ー2.セメント・鉱業

セメント・鉱業

EVERHARDは、セメント・鉱業の工作機械に対しては以下の部品箇所で使用できます。

生コンクリート製造タービンミキサー

生コンクリート製造タービンミキサーとは、生コンクリートを製造するための設備のことです。

生コンクリート製造タービンミキサーには、例として以下の部品箇所で使用できます。
 

部品箇所 部品の説明
ライニング材 ミキサーを覆うように加工する表面処理の材料。
パドル ミキサーで攪拌する際のパドル羽根の軸。

セメント製造装置

セメント製造装置とはセメントを製造するための設備のことです。

例として以下の部品箇所で使用できます。
 

部品箇所 部品の説明
コンベアシュート 加工中の材料を、次の作業工程の設備に流すための滑り台のことです。

5ー3.化学工業

化学工業

EVERHARDは、化学工業の工作機械に対して、以下の部品箇所で使用できます。

アスファルトプラント

アスファルトプラントとは、アスファルトを製造するための設備のことです。

例として以下の部品箇所で使用できます。
 

部品箇所 部品の説明
攪拌ボックス 攪拌させる装置の箱のことです。
フィニッシャー アスファルトの最終的な仕上げのために、地ならしを行う装置のことです。

ナフサ分解装置

ナフサ分解装置とは、ナフサを高い温度で熱分解して、石油化学工業のための基礎原料を生産する設備のことです。

エチレン、プロピレン、ベンゼン、トルエンなどの基礎原料を生成。

ナフサ分解装置には、例として以下の部品箇所で使用できます。
 

部品箇所 部品の説明
サンドクラッキング砂輸送管 ナフサ分解で使用する砂を輸送する管の装置のことです。

5ー4.製鉄・ガス

製鉄・ガス

EVERHARDは、製鉄・ガスの工作機械に対して、以下の部品箇所で使用できます。

高炉

高炉とは、製鉄所の設備の一つで、鉄鉱石を熱処理して、鉄を取り出すための炉のことです。

例として以下の部品箇所で使用できます。
 

部品箇所 部品の説明
炉頂旋回シュート 炉の上部から、材料を運ぶための滑り台のことです。
固定シュート 固定で取り付けられた、材料を運ぶための滑り台のことです。
ライナー 炉で材料を運ぶための配管のことです。

コークス

コークスとは、石炭を乾留(蒸し焼き)して炭素部分だけ残した燃料を作成する設備のことです。

例として以下の部品箇所で使用できます。
 

部品箇所 部品の説明
コンベアシュート 加工中の材料を、次の作業工程の設備に流すための滑り台のことです。

まとめ

まとめ

EVERHARD(エバーハード)に関して、ご紹介してきました。

EVERHARDは、摩耗性はもちろん、加工性・溶接性にも優れた幅広い利用が可能な鋼材です。

適用事例のように、ブルドーザー、ショベルのバケットのウエアプレートなど摩耗の激しい部分に使用する、鋼材として最適となります。

EVERHARDには標準系・高靭性系・特殊耐摩耗鋼と用途に合わせた品種が存在。

本記事で、ご紹介した特徴や価格などを参考に自身に適切な鋼材を購入しましょう。

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