超々ジュラルミンの特徴|強度・用途・規格・超ジュラルミンとの違い

あなたは超々ジュラルミンを知っていますか?超々ジュラルミンはアルミ合金の中でもトップクラスの強度を誇る金属です。軽量・高強度というメリットを活かし、電車や飛行機など様々なところで活躍しています。本記事では、そんな超々ジュラルミンについて詳しく解説します。

超々ジュラルミンの特徴|強度・用途・規格・超ジュラルミンとの違いのイメージ

目次

  1. 1超々ジュラルミンとは
  2. 2超々ジュラルミンの特徴・強度・用途・規格
  3. 3超々ジュラルミンと他ジュラルミンとの違い
  4. 4超々ジュラルミンの切削加工について
  5. 5まとめ

超々ジュラルミンとは

超々ジュラルミンとは

超々ジュラルミンとは、アルミ二ウム合金の中で最高クラスの硬度・強度をもつ金属です。アルミ二ウム合金はアルミに添加する元素の種類や量によって特性が大きく変わるため、1000~8000番系に細かく分類されています。その中で、超々ジュラルミンはA7075の事を指します。

超々ジュラルミンについてお調べのあなたは、すでにジュラルミンや超ジュラルミンの事はご存じなのではないかと思います。超々ジュラルミンは、名前からもわかるようにジュラルミンよりも強度に優れたジュラルミンです。本記事では超々ジュラルミンについて詳しく解説していくので、興味があれば最後まで読んでください。

超々ジュラルミンの特徴・強度・用途・規格

超々ジュラルミンの特徴、強度、用途、規格について

超々ジュラルミンの強度や特徴、規格などについて深堀りしていきます。ジュラルミンの最高峰である、超々ジュラルミンと他のジュラルミンとはどんな違いがあるのでしょうか。さっそく解説していきます。

超々ジュラルミンの特徴

超々ジュラルミンの大きな特徴は、アルミニウム合金の中で最高レベルの強度を持ちながら、非常に軽量である事です。

アルミは軽い金属である事は多くの方が知っていると思います。この軽さで、ステンレスや鋼材(軟鋼)と同程度の硬度となります。強度については次項で解説しますが、これが最大の特徴だという事ができるでしょう。この強度を確保するために、超々ジュラルミンにはアルミに銅(Cu)やマグネシウム(Mg)に加え、亜鉛(Zn)が添加されています。

しかし、ネガティブな要素も存在します。それは応力腐食割れです。亜鉛を加えると強度は高くなるが、応力腐食割れの可能性が少なからず発生してしまします。耐食性に関しては他のジュラルミンと同様に劣ります。使用環境に応じて、十分な防腐対策を行い使用する必要がある事を覚えておいてください。

もう一つの特徴として、ジュラルミンは時効硬化により、強度が高められた素材です。時効硬化は焼き入れ後、約一日寝かせる事で焼き入れ直後に比べ、強度が向上する現象です。この時効硬化で強度を確保しているジュラルミンは、長年の長期使用により強度は徐々に失われていくという特徴もあります。

超々ジュラルミンの強度

超々ジュラルミンはアルミ二ウム合金の中では最高クラスの強度を誇ります。わたしも冒頭でそのように解説しましたし、他の記事でもそのように解説しているのではないでしょうか。なので、ジュラルミンは非常に硬い金属だと勘違いしてしまう方もいるのではないかと思います。

正しくは、通常の鋼材(軟鋼)やステンレスと同程度の強度になります。しかし、重量はわずか1/3程度にもかかわらず、同程度の強度というのは素晴らしいですよね。超々ジュラルミンは比強度に優れた金属だと理解しておくと良いでしょう。

では、実際に硬度を表す数値を比較してみましょう。
 

  • A5052 アルミニウム 65HB
  • A2017 ジュラルミン 105HB
  • A2014 超ジュラルミン 120HB
  • A7075 超々ジュラルミン 160HB
  • SS400 普通鋼(軟鋼) 130HB
  • SUS304 ステンレス 187HB

今回はHB(ブリネル硬さ)の単位を使用しました。みなさんがよく聞くHRC(ロックウェル硬さ)の単位で説明できないのは、ロックウェル硬さの最小単位が22であり、それ以下の硬度を表す場合はHV(ビッカース硬さ)、HB(ブリネル硬さ)、HS(ショア硬さ)で表すしかないのです。ちなみに22HRCと同等の硬度は235HBとなります。

超々ジュラルミンの規格

超々ジュラルミンの成分規格について解説します。数字やアルファベットが出てきて小難しい印象を与えますが、冒頭で解説した銅、マグネシウム、亜鉛の添加量やその他の微量分析にはどんなものがあるのか、参考にしてみてください。

 

  • Si(ケイ素):0.40以下
  • Fe(鉄):0.50以下
  • Cu(銅):1.2~2.0
  • Mn(マンガン):0.30以下
  • Mg(マグネシウム):2.1~2.9
  • Cr(クロム):0.18~0.28
  • Zn(亜鉛):5.1~6.1
  • Ti(チタン):0.20以下
  • その他:0.05以下
  • Al(アルミ):残部


このような成分規格が定められています。
 

超々ジュラルミンの用途

超々ジュラルミンは、身近な例で言えば金属バットの材料に使用されています。金属バットを通常の鋼材で作ると、とてもフルスイングできる重さにはならないでしょう。超々ジュラルミンの軽さと強度を活かした製品だと言えますね。

続いて紹介する主な使用用途ですが、皆さんも普段から良く使用する、飛行機や電車などに使用されています。航空機の機体の約7割がアルミ合金で構成されており、超々ジュラルミンを含む各種ジュラルミンが使用されている場合が多いです。

普段何気なく使用している飛行機、鉄道に使われているという事は、ジュラルミンもまた、私たちの現在の暮らしを支えてくれる大切な役割を果たしている、という事ができるでしょう。

超々ジュラルミンと他ジュラルミンとの違い

超々ジュラルミンと他のジュラルミンの違い

ここまでの解説で超々ジュラルミンについて理解が深まったのではないかと思います。ここからは超々ジュラルミンと他のジュラルミンの違いにフォーカスし、解説していきます。

超々ジュラルミンと超ジュラルミンの違い

超々ジュラルミンと超ジュラルミンでは亜鉛の含有量が違います。超々ジュラルミンの亜鉛(Zn)含有率は約5~6%と決められています。これに対し、超ジュラルミンは0.25%以下(ジュラルミンも同様)と定められています。超々ジュラルミンがもつ強度のためには亜鉛を加える事が不可欠です。

一方、超ジュラルミンは2000番系のアルミ合金であり、CuやMgを主とした熱処理合金です。亜鉛含有量は微量に抑えられているため、強度が劣ります。

亜鉛を添加する事について少し補足しておきます。亜鉛が多く含まれていると、強度が増します。しかし、亜鉛を加える事で応力腐食割れの可能性は出てきます。超々ジュラルミンは他の微量成分で応力腐食割れを抑制していますが、アルミ合金における亜鉛には、このような特性があります。

超々ジュラルミンとジュラルミンとの違い

先ほど解説した亜鉛の含有量の違いもあるため、超々ジュラルミンよりもジュラルミンの強度は大きく劣ります。ジュラルミンは超ジュラルミンと比較しても微量分析値の規格が緩く、CuやMgなど主成分の割合も若干低く設定してあります。

ジュラルミンは、超々ジュラルミンと比較すると強度は低いですが、その分安価で購入する事が可能です。超々ジュラルミンは高価なので本当に強度を必要とする一部の素材のみに使うなど、限定して使用される事が多いです。

一方、ジュラルミンや超ジュラルミンは比較的安価なので、超々ジュラルミンより主として使いやすい一面があります。

超々ジュラルミンの切削加工について

超々ジュラルミンの加工

超々ジュラルミンを含むアルミ合金は、比較的切削性に優れています。超々ジュラルミンは強度が高いため難削材と呼ばれる事もありますが、実際に切削加工を行うと思っているより難易度は高くありません。普段から切削加工を行っている技術者の方なら問題なく行えると思います。

加工時に気を付けたいポイントとしてはアルミの溶着です。アルミが溶けて工具に溶着してしまうと著しく加工性が悪化します。加工時に必要以上に熱を持たせないよう、加工速度を下げるなど工夫する必要があります。クーラントで冷却する、もしくはコーティング(DLC)された工具を使用するという方法もあります。

少し補足ですが、アルミは加工硬化を起こしにくいという利点もあります。ステンレスなどであれば経験ある方もいるのではないでしょうか。加工時に必要以上に熱を加えると硬化し、切削加工が非常に困難になる現象です。アルミはこの加工硬化が発生する心配をする必要はありません。

まとめ

まとめ

今回は「超々ジュラルミンの特徴|強度・用途・規格・超ジュラルミンとの違い」このような内容で解説させて頂きました。

「超々ジュラルミンとジュラルミンにはどんな違いがあるのだろうか。」「超々ジュラルミンの特徴にはどんなものがあるのだろうか。」このような疑問は解消できたのではないでしょうか。

超々ジュラルミンは、ジュラルミン、超ジュラルミンに比べ、強度が高いという大きな特徴があります。その強度の違いを生むのは亜鉛含有量の違いです。超々ジュラルミンには多くの亜鉛が含まれています。これが他のジュラルミンに比べ強度を格段にUPさせることができる秘密だったわけですね。

ただし、亜鉛を多く含んでいるがために応力腐食割れに注意する必要はあります。なお、溶接加工の難しさ、耐食性の低さは他のジュラルミンと同様です。

超々ジュラルミンはアルミ合金の中でも比強度に優れた素材となります。少々高価な金属なので、本当に強度が必要とされる箇所に限定して使用される、といった事が比較的多いと感じます。しかし、最近ではジュラルミン製のキャンプ用品を見かける事も多くなりました。軽量で高強度という大きなメリットはどんな分野においても大きな武器となるのではないでしょうか。

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