ワイヤ放電加工とは?利点・事例・注意点を分かりやすく解説!

ワイヤの放電熱によって材料を切断するワイヤ放電加工について解説しています。仕組みや特徴など基本的なことから、ワイヤ放電加工の利点や注意点、ワイヤ放電加工の事例まで詳しく解説しています。この記事を読むことで、ワイヤ放電加工について理解でき、より良い製品を作れるようになります。

ワイヤ放電加工とは?利点・事例・注意点を分かりやすく解説!のイメージ

目次

  1. 1ワイヤ放電加工とは?【ワイヤの放電熱によって材料を切断】
  2. 2ワイヤ放電加工の利点を押さえよう!
  3. 3ワイヤ放電加工の事例【導電体であれば超緻密な加工が可能】
  4. 4気をつけて!ワイヤ放電加工の注意点
  5. 5ワイヤ放電加工にお困りの場合は鋼の専門商社へ相談もアリ!
  6. 6まとめ

ワイヤ放電加工について調べていますね?

ワイヤ放電加工は、ワイヤの放電熱によって材料を切断する加工方法です。

緻密な作業が可能で、導電体であればどんなに硬い材料でも加工することができるというのがワイヤ放電加工の利点となります。

しかし一方で、大量生産には向いていないというワイヤ放電加工ならではのデメリットも。

そこで本記事では、ワイヤ放電加工の仕組みやメリット、注意点やワイヤ放電加工の導入事例について紹介していきます。

本記事を読むことで、ワイヤ放電加工について詳しく理解でき、適切に導入することができるようになりますので、ぜひご一読ください。

それでは、見ていきましょう。

ワイヤ放電加工とは?【ワイヤの放電熱によって材料を切断】

ワイヤ放電加工とは?【ワイヤの放電熱によって材料を切断】

ワイヤ放電加工とは、ワイヤの放電熱によって材料を切断する加工方法です。

緻密な作業が可能で、導電体であればどんなに硬い材料でも加工が可能なので、超精密なプレス機などに適した切断加工となります。

ただし特徴をしっかりと押さえないと、うまく導入することができず、コストを無駄にかけてしまう可能性も。

そこで、以下について説明します。
 

  • ワイヤ放電加工の仕組み
  • ワイヤ放電加工機

それでは詳しく見ていきましょう。

1ー1.ワイヤ放電加工の仕組み

ワイヤ加工放電の仕組み

まずはワイヤ放電加工の仕組みについてです。

ワイヤ放電加工は、以下の流れで工作物を切断することができます。
 

  1. 純水内で絶縁状態にあるワイヤと工作物が接近して火花放電を開始
  2. パルス電流が流れて何千度もの温度が発生、工作物が融解
  3. 高温によって純水が水蒸気爆発を起こし融解した金属を除去
  4. 工作物に生まれた凹部分に水が入り込み冷却

上記の流れを繰り返すことで、ワイヤ放電加工による加工が行われます。

1ー2.ワイヤ放電加工機【精度などあらゆるニーズに対応】

ワイヤ放電加工機【精度などあらゆるニーズに対応】

ワイヤ放電加工機は、ワイヤ放電加工をおこなう際に使用される加工機です。

高精度でさまざまなニーズの工作物に使用することができます。

放電加工機の仕組みを詳しく知り、さらにワイヤ放電加工機の仕組みについての理解を深めていきましょう。

1ー2ー1.ワイヤ放電加工機の構造

ワイヤ加工放電機の構造

(参照:ワイヤー放電加工機 - 微細.net

ワイヤ放電加工機は、以下の5部分で構成されています。
 

  1. ワイヤの供給と回収をおこなうリール
  2. ワイヤを上下するためのワイヤガイド
  3. X軸・Y軸に駆動する工作物設置用テーブル
  4. 工作物を固定する固定治具材
  5. パルス電流の発生部分

ワイヤ放電加工機は上記5部分が主要部となっており、各部分が連携して精密な加工を可能としているのです。

1ー2ー2.ワイヤ放電加工機のメーカー

ワイヤ放電加工機のメーカーについて以下にまとめました。
 

メーカー 代表的な放電加工機 特徴
株式会社ジグテック タプトルD 小型で扱いやすい放電加工機。おもに折れたタップやキリの除去作業に用いることが可能。
株式会社タイナテック DKVシリーズ 非鉄金属から鋼・鋳物・合金鋼まで幅広い素材に対応。3D造形品の切り離し・難削材加工を素早く行うことが可能。
株式会社スピーディーターゲットグループ (STG) ワイヤカット放電加工コンターマシン モリブデンワイヤの反復使用が特徴。厚みのある金属や硬度の高い金属の加工にも安心して利用が可能。
フォルマー・ジャパン株式会社 QXD 250 外径250mm、長さ200mmまでの工作物に対応。6本同時コントロールのCNC軸が搭載されており、複雑な加工物にも利用可能。

メーカーやワイヤ放電加工機ごとに対応する工作物や得意な加工が異なるため、ニーズにあったワイヤ放電加工機を選ぶようにしましょう。

ワイヤ放電加工の利点を押さえよう!

ワイヤ放電加工の利点を押さえよう!

ここまで、ワイヤ放電加工の特徴を見てきました。

次にワイヤ放電加工について紹介します。

利点を押さえることで、ワイヤ放電加工の特徴を最大限に活かすことが可能です。

ワイヤ放電加工の利点は以下の3点になります。
 

  • 導電体であればどんなに硬くても加工できる
  • 様々な形状の加工が可能
  • マシニングセンタなどに比べて経済的

ワイヤ放電加工は、工作物を緻密に加工できること以外にも上記のような利点があります。

それでは早速見ていきましょう。

2ー1.導電体であればどんなに硬くても加工できる

導電体であればどんなに硬くても加工できる

ワイヤ放電加工は、導電体であればどんなに硬くても加工ができます。

なぜなら、ワイヤ放電加工は放電によって工作物を切断する加工であり、非接触加工だからです。

工作物は放電現象で加工され、ワイヤ硬度のような接触加工で重視される工具の条件は加工に影響を与えません。

このように導電体であればどんなに硬くても加工が可能なのがワイヤ放電加工の利点の1つです。

2ー2.様々な形状の加工が可能【緻密な作業にはより強い】

様々な形状の加工が可能【緻密な作業にはより強い】

ワイヤ放電加工は、様々な形状の加工が可能で、特に緻密な作業を得意とする加工方法となります。

なぜなら類似加工方法のように多様な工具を使用するわけではなく、プログラムに沿ってワイヤのみで微細かつ複雑な加工まで可能だからです。

高精度の加工が必要な際には粗取り・中仕上げ1・中仕上げ2・最終仕上げといった4段階の加工を行うことができ、工作物の仕上がりを精密に調整することができます。

様々な形状の加工が可能で、特に緻密な作業を行えるのがワイヤ放電加工の特徴なのです。

2ー3.マシニングセンタなどに比べて経済的

マシニングセンタなどに比べて経済的

ワイヤ放電加工は、マシニングセンタなどに比べて経済的な加工方法となります。

なぜなら、ワイヤ放電加工はワイヤのみを使用する加工方法なので、マシニングセンタのように多様な工具を使用する必要がないからです。

また、ワイヤは幅が狭く、加工材料を無駄にすることなく加工が行えるというのもワイヤ放電加工が経済的である理由の1つとなります。

このようにマシニングセンタなどに比べて経済的であることもワイヤ放電加工の特徴です。

ワイヤ放電加工の事例【導電体であれば超緻密な加工が可能】

ワイヤ放電加工の事例【導電体であれば超緻密な加工が可能】

ここまで、ワイヤ放電加工の利点を紹介しました。

次に以下の導入事例を見ていきます。
 

  • 微細ギア
  • 超精密プレス型

導入事例を知ることで、ワイヤ放電加工に適した工作物について理解することができ、どのようにワイヤ放電加工を導入するかを判断することが可能です。

それでは早速見ていきましょう。

3ー1.微細ギア

微細ギア

ワイヤ放電加工の導入事例として、微細ギアについて紹介します。

ワイヤ放電加工は、精度の高い微細ギアに適した加工方法です。

微細ギアはφ0.05㎜以下での加工を必要とすることがあります。

通常のギア加工では、上記のように微細なギアに加工することは精度的に難しいとされています。

しかし、高精度の加工が可能なワイヤ放電加工の場合には細いワイヤを用いることで、インボリュート・ラインをきれいに仕上げ、ギア中心部の穴を真円に加工することが可能です。

このようにワイヤ放電加工は精度の高い加工が得意なため、微細ギアの精密な加工を行うことができるのです。

3ー2.超精密プレス型

超精密プレス型

ワイヤ放電加工の導入事例として、超精密プレス型についても紹介します。

ワイヤ放電加工はそもそもプレス型を加工する方法として発達してきました。

なぜならワイヤ放電加工は、高い精度で高硬度の切断加工を可能としているからです。

超精密プレス型は硬度の高い金属素材を用いて、高い精度で加工される必要があるため、ワイヤ放電加工が適していると言えます。

気をつけて!ワイヤ放電加工の注意点

気をつけて!ワイヤ放電加工の注意点

ここまで、ワイヤ放電加工の利点や事例について紹介してきました。

ワイヤ放電加工は、緻密な作業が可能で、導電体であればどんなに硬い材料でも加工できるため、硬度の高い工作物の加工に向いています。

ただし緻密な作業が可能だからといって万能な加工方法というわけではなく、注意点をしておくことが重要です。

ワイヤ放電加工の注意点は、以下の2点になります。
 

  • 加工速度が遅いので大量生産には不向き
  • 底のある加工や水平方向の加工はできない

注意点をしっかり理解することで、失敗の数を減らすことが可能です。

以下で詳しく見ていきましょう。

4ー1.加工速度が遅いので大量生産には不向き

加工速度が遅いので大量生産には不向き

ワイヤ放電加工は大量生産には不向きになります。

なぜならワイヤ放電加工では加工物を少しずつ融解させながら加工を進めていくため、加工速度が遅いからです。

ただし上級機種では大量生産に適した加工速度のワイヤ放電加工機も存在します。

導入したい現場のニーズに合わせて、ワイヤ放電加工機を適切に選ぶことが重要です。

4ー2.底のある加工や水平方向の加工はできない

底のある加工や水平方向の加工はできない

ワイヤ放電加工では、底のある加工や水平方向の加工ができません。

なぜならワイヤーが垂直に張られているため、一部のみを残して穴を開けるような加工は不可能だからです。

もし底のある工作物への加工が必要であるならば、型彫放電加工のような方法を用いることを推奨します。

高精度が求められる金型・ギア・治具のような工作物に対して、ワイヤ放電加工を用いるようにしましょう。

ワイヤ放電加工にお困りの場合は鋼の専門商社へ相談もアリ!

ワイヤ放電加工にお困りの場合は鋼の専門商社へ相談もアリ!

ワイヤ放電加工の導入に不安や疑問がある場合は、プロに相談することをおすすめします。

ワイヤ放電加工は、水平方向の加工は困難なことや、大量生産には向かないといった注意点があるため、知識がない状態で導入することで失敗する可能性があるからです。

ワイヤ放電加工を使って、より緻密な作業がしたいということであれば、実績と技術のある会社へ相談しましょう。

5ー1.クマガイ特殊鋼株式会社

クマガイ特殊鋼株式会社

クマガイ特殊鋼株式会社は、ワイヤ放電加工のように技術力を要する様々な鋼材加工を得意としており、生産過程ごとに必要な提案をすることができる会社です。

創業100年を超える歴史を持つクマガイ特殊鋼株式会社は、ワイヤ放電加工に対しても熟練した技術を持っています。

ワイヤ放電加工を用いてより質の高い製品を生産するためにワイヤ放電加工を導入したいということであれば、クマガイ特殊鋼株式会社に相談しましょう。

まとめ

ワイヤ放電加工は、ワイヤの放電熱によって材料を切断する加工方法です。

緻密な作業が可能で、導電体であればどんなに硬い材料でも加工を施せることがメリットだと言えます。

また、様々な形状の加工が可能であり、マシニングセンタなどに比べて経済的であることも特徴です。

一方、水平方向の加工は困難なことや、大量生産には向かないという注意点もあるので、覚えておきましょう。

もしワイヤ放電加工の導入にお困りであれば、クマガイ特殊鋼株式会社にご相談ください。

プロとしてきめ細かいサポートを約束します。

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