【ブローチ加工】メリットデメリットから注意点まで分かりやすく解説

ブローチ加工とは、工作物の穴内部や表面を削る加工です。一つの工程で加工が完結するので、生産性が高いというメリットがあり自動車部品の製造に広く浸透しています。本記事では、ブローチ加工の仕組みからポイント、注意点まで解説しています。

【ブローチ加工】メリットデメリットから注意点まで分かりやすく解説のイメージ

目次

  1. 1ブローチ加工とは?【工作物の穴内部や表面を削る】
  2. 2ブローチ加工のメリット・デメリット
  3. 3ブローチ加工の仕組み【一工程で完結】
  4. 4押さえておこう!ブローチ加工のポイント
  5. 5気をつけて!ブローチ加工の注意点
  6. 6被削材ごとに最適な切削条件を選定する
  7. 7ブローチ加工にお困りの場合は鋼の専門商社へ相談もアリ!
  8. 8まとめ

ブローチ加工についてお調べでしょうか。

ブローチ加工とは、工作物の穴内部や表面を削る加工です。

一つの工程で加工が完結するので、生産性が高いというメリットがあり自動車部品の製造に広く浸透しています。

一方で、設備コストが汎用工作機械に比べて高価なため、少量生産では経済的に不利です。

そこで本記事では、ブローチ加工の仕組みからポイント、注意点まで解説しています。

本記事を読めばブローチ加工についての知識と、加工・設計に関する知識をつけることが可能です。

記事を参考に、ブローチ加工の正しい知識をつけて最適な加工方法の選定を行い最高の製品を作りましょう!

ブローチ加工とは?【工作物の穴内部や表面を削る】

ブローチ加工とは?【工作物の穴内部や表面を削る】

ブローチ加工とは専用の工具を用いて、工作物の表面加工や、スプライン穴など穴の内面加工を行う加工法です。

前部に前つかみ部、後部に後つかみ部があり、その間に荒刃、中仕上げ刃、仕上げ刃がそれぞれ複数並んだ形状のブローチと呼ばれる特殊工具を用いることで加工を行います。

ブローチ加工の特徴は以下の2つです。
 

  • 加工速度が速い
  • 加工精度が高い

特徴を理解することで、目的とする加工に適しているかどうかの判断材料になります。

それでは見ていきましょう。

加工速度が速い

加工速度が速い

ブローチ加工の特徴は加工速度の速さです。

工作物の穴内部や、表面に歯車のような切れ込みをいれる作業では、通常複数の工程が必要となります。

従来では複数工程が必要だった複雑な切削も、ブローチ加工では一工程で仕上げまで可能です。

工程の省略による、加工速度の速さがブローチ加工の特徴になります。

加工精度が高い

加工精度が高い

2つ目の特徴は加工精度の高さです。

ブローチ加工は、穴にブローチを投入し切削するというシンプルな構造となります。

シンプルな構造なので、ブローチの品質によって高い加工精度を保つことが可能です。

ブローチ加工は、シンプルな構造によって保たれる高い加工精度が特徴の加工法になります。

ブローチ加工のメリット・デメリット

ブローチ加工のメリット・デメリット

ブローチ加工は加工速度と加工精度に優れた加工法ですが、メリットだけでなくデメリットも存在します。

メリット・デメリットを正しく把握すれば、目的とする加工に最適な方法か選定が可能です。

一方で、正しくメリット・デメリットを把握できていなければ、メリットを活かさない加工選定により、不要なコストを支払うリスクへ繋がります。

それでは、ブローチ加工のメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

メリット

ブローチ加工のメリットは、3つあります。
 

  • 生産性が高い
  • 製品の再現性が高い
  • 他の方法では不可能な加工が行える

詳細を説明します。

生産性が高い

ブローチ加工における1つ目のメリットは、生産性が高いことです。

穴の内面加工では、粗加工、中仕上げ、仕上げと3つの工程が必要ですが、ブローチ加工では一工程で仕上げ加工まで行えます。

フライス盤7台で分割していた工程を、ブローチ加工の導入で1工程への短縮も可能です。

複雑な加工を1工程で行える生産性の高さは、ブローチ加工のメリットになります。

製品の再現性が高い

ブローチ加工のメリットは、製品再現性の高さです。

一刃あたりの切込み量やトータルの切削量は、ブローチの設計時に全て事前に設計してており、均一な加工ができます。

また、ブローチを引き抜く作業自体には熟練度を必要としません。

ブローチ加工は、複雑な加工を均一の品質で大量生産できる再現性の高い加工法になります。

他の方法では不可能な加工が行える

ブローチ加工は、他の方法で不可能な加工が行えます。

磁場を閉じ込めるために、らせん状の切れ込みをいれるヘリカル形状は、ブローチ加工以外では製造できない加工です。

また、棒状の内側や外側に歯車に用いる切込をいれるインボリュートスプラインも、ブローチ加工でしか製造できません。

ブローチ加工には、他の方法では不可能な製造ができるというメリットがあります。

デメリット

デメリット

メリットの多いブローチ加工ですがデメリットもあります。

デメリットを理解すれば、自分の目的に適しているか判断の確度をあげることが可能です。

それでは、見ていきましょう。

少量生産では経済的に不利

ブローチ加工のデメリットは、少量生産に向かないことです。

ブローチ加工の設備は高価で、加工の要である丸ブローチも製作も効果になります。

大量生産であれば採算はとれますが、少量生産では割に合わなくなるのです。

ブローチ加工には設備費用に資金がかかり、少量生産では経済的に不利というデメリットがあります。

ブローチ加工の仕組み【一工程で完結】

ブローチ加工の仕組み【一工程で完結】

(引用:Weblio辞書)
ブローチ加工は、複雑な加工を一工程で完結できる生産性の高い加工法です。

ブローチと呼ばれる、棒状の軸に多数の円刃が順次寸法を増しながら配列された特殊な工具で穴空け加工をすることで、複数工程で行う作業を一工程で完結させています。

工作物にガイド穴を開け、ブローチの前つかみ部を保持して引き抜くことで、仕上げ刃の寸法の穴開け加工が可能です。

ブローチ加工は、複数の刃を加工した棒状工具で切削を行う加工技術となります。

押さえておこう!ブローチ加工のポイント

押さえておこう!ブローチ加工のポイント

複数の刃を加工した棒状工具で、複雑な切削工程をおこなるブローチ加工ですが、ブローチの設計は緻密さを求められます。

ここからは、ブローチ加工について設計のポイントの紹介です。

ポイントを知れば、より精度の高い加工が可能になります。

ブローチ加工のポイントは、以下の2つです。
 

  • 切削精度のバランスが加工の良し悪しを決める
  • ブローチ設計の鍵は【切り刃の剛性】と【切りくずポケット】

それでは、見ていきましょう。

切削精度のバランスが加工の良し悪しを決める

切削精度のバランスが加工の良し悪しを決める

ブローチ加工のポイントは、切削精度のバランスです。

切削精度のバランスが悪いと、一部の刃だけに負荷がたまり摩耗が早くなります。

一ヶ所だけ摩耗が増えると、切れ目の精度は均一でなくなり品質の低下へと繋がるのです。

工具によって再現性の高い加工が可能だからこそ、切削精度のバランスによる工具設計が加工の良し悪しに繋がります。

ブローチ設計の鍵は【切り刃の剛性】と【切りくずポケット】

ブローチ設計の鍵は【切り刃の剛性】と【切りくずポケット】

加工精度に影響する、ブローチ設計の鍵は切り刃の剛性と切りくずポケットです。

切り刃の剛性が低ければ、前述のように摩耗が増えて刃の形状が変わってしまいます。

また、ポケットの収納が不十分だと、溢れた切りくずが工具を損傷する要因となります。

ブローチ設計では、切り刃の剛性と切りくずポケットの設計精度が、良質な加工を保つポイントなのです。

気をつけて!ブローチ加工の注意点

気をつけて!ブローチ加工の注意点

ブローチ加工における成功のポイントの次は、注意点の紹介です。

ブローチ加工において要となる、工具の設計は緻密で各刃への均一摩耗を考慮が必要となります。

工具への配慮は加工条件においても必要です。

注意点を押さえた加工条件を考慮しなければ、高品質の工具を破損することにも繋がります。

ブローチ加工の注意点は以下の2つです。
 

  • 最適な油剤を選定する
  • 被削材ごとに最適な切削条件を選定する

それぞれ見ていきましょう。

最適な油剤を選定する

最適な油剤を選定する

ブローチ加工において、最適な油剤の選定は重要です。

適切でない油剤を選択すれば、加工の品質や工具の寿命を縮めるなどの弊害があります。

油剤の特徴を知れば、最適な油剤の選択が可能です。

以下に油剤の特徴を、表にまとめました。
 

不水溶性油剤
種類 油系 不活性極圧形 活性極圧形
特徴 加工精度に影響。 切れ味など加工精度に影響。

更に、極圧剤の添加により工具の寿命にも優位。
切れ味など加工精度に影響。

油剤の特徴から工具寿命と加工精度、どちらも要求されるブローチ加工では、極圧添加剤を含む不水溶性油剤の使用が推奨されます。

ブローチ加工では、工具の寿命をより重視する場合は不活性極圧形、加工表面の美しさを重視する際は活性局圧形という風に最適な油剤を選定しましょう。

被削材ごとに最適な切削条件を選定する

被削材ごとに最適な切削条件を選定する

ブローチの開発段階の、被削材に合わせた最適な切削条件の選定も大切です。

切削工具であるブローチは、SKH51、KMC3、KHAといった硬度の高い金属で製造されます。

どの金属でも良いという訳ではなく、被削材ごとに最適な金属や切削の条件が異なるのです。

炭素鋼、ステンレス鋼にはKMCが最適、チタン合金の加工にはKHAが最適など対象の被削材によって最適な素材は異なります。

また、被削材の硬度にもよって最適な切削速度条件は異なるので注意して設計しましょう。

ブローチ加工にお困りの場合は鋼の専門商社へ相談もアリ!

ブローチ加工にお困りの場合は鋼の専門商社へ相談もアリ!

ブローチ加工の設計と実施に自信がない人は、プロへの依頼も検討しましょう。

設計と加工のプロである鋼材専門業者ならば、経験豊富な技術を元に精度の高い加工対応が可能です。

クマガイ特殊鋼株式会社

クマガイ特殊鋼株式会社

クマガイ特殊鋼株式会社は100年以上の歴史があり、ブローチ加工に対する経験や知識も豊富です。

業界の長い歴史で培われた基盤と幅広い知識を元に、鋼材加工に対応可能な素材知識と加工技術を有しています。

目的にあった素材の選定や、対象となる素材に合わせた最適な加工設計に自信がない場合はクマガイ特殊鋼株式会社に相談しましょう。

まとめ

ブローチ加工は、工作物の穴内部や表面を削る加工です。

ブローチという特殊な工具を用いた加工によって複雑な加工を再現性高く実施できます。

一つの工程で加工が完結するので、生産性も高い一方で、設備コストが汎用工作機械に比べて高価なため、少量生産では経済的に不利です。

また、工具の設計が製品の品質を左右するため緻密な設計を求められるなど高い知識が求められます。

万が一、ブローチ加工についてお困りの際はクマガイ特殊鋼までお気軽にご相談ください。

鋼のプロとしてきめ細かいサポートをお約束します。

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