ファイバーレーザーの特徴/原理/構成

ファイバーレーザーとは、光ファイバーの技術を応用して作られるレーザー光の発生装置のことです。レーザー光の出力や範囲を自在に扱えるという特徴があるため、溶接やレーザー切断といった加工分野以外にも幅広い用途での応用が期待されています。ここではファイバーレーザーの特徴について説明していきます。

ファイバーレーザーの特徴/原理/構成のイメージ

目次

  1. 1ファイバーレーザーとは?
  2. 2ファイバーレーザーの特徴や原理
  3. 3ファイバーレーザーの構成
  4. 4まとめ

ファイバーレーザーとは?

ファイバーレーザーは固体レーザーとも称されており、その名の通り光ファイバー(繊維・Fiber)を使い伝導されるレーザー(人工的な光・Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅放射)の頭文字)、またそれを用いた機器のことです。

ファイバーレーザーが使われているもの

ファイバーレーザーは微細加工も可能なため、主に溶接や切断、レーザーマーキングといった加工分野で使われています。医療分野でも臨床試験が行われており、近い将来内視鏡を併用したファイバーレーザーによる手術が可能になると思われます。

またその特徴を活かして光通信やインフラ診断といった様々な場所での活用が見込まれています。
 

ファイバーレーザーのメリット

ファイバーレーザーの特徴はまず、効率の良さが挙げられます。従来のYAGの3%に比べてファイバーレーザーはおよそ30%という高い効率で使用できます。そのためランニングコストを安く抑えることができます。

また光学部品が空間に露出していないため損耗が少なく、メンテナンスに掛ける工数が大幅に縮減できます。ファイバーレーザーは銅とアルミニウムなど異種材料の溶接も可能です。溶接の歪みも少なく、パイプなどは1層で裏波溶接が可能です。従来に比べ小型で軽量のため、工場の自動化も容易になります。

またそのレーザー出力と焦点の自在性が高いという特徴から、銅やアルミ、真鍮といった素材の高精度な切断や極薄板(0.05mm~0.3mm)を歪みなく切断できるなど、今までできなかった材料の高精度な切断も可能とします。
 
レーザーマーキングとしても活用されていて、金属や樹脂などの幅広い材質へ文字を彫り込むことができます。出力を調整することで深堀りもできるため、彫り加工後に塗装する場合などにも使用できます。
 

ファイバーレーザーの特徴や原理

ファイバーレーザーは今までのレーザー機器とは違う特徴や原理があります。ここではそれらを解説していきます。

ファイバーレーザーの特徴

ファイバーレーザーは、光ファイバーでレーザーを伝達できるという特徴があります。光ファイバーは細く長く柔軟で丈夫なため、今まででは加工できなかった様々な場所へレーザー光を届けることができます。

また従来のレーザー機器と比べて高出力・高効率なことに加えて信頼性も高く、省エネルギーで活用できます。ファイバーレーザー本体も小型軽量化ができ、従来のレーザー加工機と比べて省スペース化が可能です。
 

ファイバーレーザーの原理

ファイバーレーザーは光ファイバーの芯(コア)に屈折率の高い希土類元素が使われています。光ファイバーは三層構造になっていて、コアと一番外側の被覆材(アウタークラッド)、コアと被覆材の間にある屈折率の低い被覆材(インナークラッド)で構成されています。

光ファイバーの中をレーザーダイオードで生み出された励起光が反射しながら通過する時に、屈折率の違いと材質特性によりコアに電磁波が発生します。この電磁波が反射し増幅しながら外側へ向かって進んでいきます。こうしてできたレーザーを使うのがファイバーレーザーです。コアに使う希土類には、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムなどがあり、この配合や励起光の出力などにより得られるレーザーの波長が異なります。
 

ファイバーレーザーの構成

ファイバーレーザーの構成は以下のとおりです。

連続発振(CW)ファイバーレーザは、複数のレーザーダイオードで生み出した励起光をポンプコンバイナで一つに集約し、高反射FBGで更に選別して光を整えます。その後希土類ドープファイバーへと送り込みレーザー光を増幅し、低反射FBGを通して最終調整されます。この後光ファイバーを通じて光の向きを調整するコリメータへと送り込まれたレーザーは、鋼材などへと照射されます。

またパルス発振ファイバーレーザーの特徴は連続発振ファイバーレーザーにもう一段階増幅器を設置し、微細なレーザー光の調整を可能としているところです。パルスジェネレーターで発振させたシード光をアイソレーターでレーザー発振を抑制し、増幅したレーザーから発生したASE光をバンドパスフィルターで除去して連続発振ファイバーレーザーに送り込みます。
 

まとめ

ファイバーレーザーはその特徴から、次世代の加工技術として様々な用途への応用が期待されています。大規模工場用の高精度なファイバーレーザーはもちろん、小型・軽量化が進めば小規模工場用や家庭用などの広がりも見せることでしょう。
 

鋼板・鋼材の加工・専門商社|クマガイ特殊鋼株式会社

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