【HARDOX】普通鋼の最大25倍!耐摩耗性に優れた鋼材

耐摩耗性に優れた、スウェーデンSSAB社製のHARDOXという鋼材について、わかりやすく解説しています。特徴から価格、適用事例まで網羅的に紹介。この記事を読むことで、HARDOXの特徴がわかり、摩耗の激しい箇所に対してどの鋼材が適切か判断できる様になります。

【HARDOX】普通鋼の最大25倍!耐摩耗性に優れた鋼材のイメージ

目次

  1. 1HARDOXとは
  2. 2HARDOXの特徴
  3. 3HARDOXの価格について
  4. 4HARDOXの注意点
  5. 5HARDOXの適用事例
  6. 6まとめ

HARDOX(ハルドックス)の特徴について調べていますね?

摩耗の激しい箇所で不適切な鋼材を選んでしまうと、導入した後にすぐに摩耗し、部品交換に伴う維持費がかさんでしまいます。

摩耗の激しい箇所では、耐摩耗性に優れているHARDOX(ハルドックス)という耐摩耗鋼板を使うべきです。

今回は、HARDOXの特徴や価格、適用事例、使用にあたっての注意点を紹介します。

この記事を読めば、普通鋼の最大25倍もの耐摩耗性を持つ驚異的な性能のHARDOXの特徴がわかり、どのような箇所に使うと効果を発揮できるかわかるはず!

それでは、一緒にみていきましょう。

HARDOXとは

HARDOXとは

HARDOXとは、スウェーデンSSAB社製の耐摩耗性に優れた耐摩耗鋼板です。

耐摩耗鋼板であるHARDOXは、耐摩耗性に優れており、長い耐用年数を特徴とします。

通称、SSABスウェーデン鋼としても有名で、世界トップシェアの鋼材です。

一般的な鋼材と比べて軽量なことから、輸送車両の積載量を増やし、燃費を向上させることで、ランニングコストを抑えることが可能。

利用業界としては、以下を代表に多くの分野に広がっています。
 

  • 鉱業
  • 採石や砂の採取
  • 建設
  • セメント
  • コンクリート
  • 炭とエネルギー
  • 金属加工
  • リサイクル
  • 農業、林業
  • 漁業

また、使用用途は、以下を一例として様々です。
 
  • ショベルカーのバケット
  • ダンプの荷台
  • 輸送用コンテナ

主に、輸送車両のパーツに使われています。

HARDOXの特徴

HARDOXの特徴

ここまで、HARDOXの概要について確認しました。

次に、主な特徴について、確認していきましょう。

2ー1.耐摩耗性は普通鋼の5倍以上

耐摩耗性は普通鋼の5倍以上

HARDOXは、普通鋼の5倍以上の耐摩耗性があります。

硬度が高いため、研削材の尖った角の素材が食い揉みにくく、摩耗を最小限に抑えられるからです。

使用期間を通して、同じ耐摩耗性を維持するので、過酷な環境に耐えます。

2ー2.高強度・高硬度でありながら様々な加工ができる

高強度・高硬度でありながら様々な加工ができる

HARDOXは、高強度・高硬度が特徴ですが、容易に加工できる鋼材になります。

なぜならば、以下の特徴を持つからです。
 

  • 平坦度の高さ
  • 均一の厚さ
  • 内部特性の安定

上記のような特徴から、以下の加工工程で扱いやすいといえます。
 
  • 機械加工
  • 溶接
  • 曲げ加工
  • 切断

製品材料として、技術者のアイデアを活かせるでしょう。

2ー3.重量の軽量化をして製品を長寿命化できる

重量の軽量化をして製品を長寿命化できる

HARDOXは、普通鋼に比べて軽いため、使用製品を軽量化・長寿命化できます。

これは、HARDOXの製造技術の進歩により、高張力鋼を超える超高張力の特性があるから。

軽量のため、使用製品の燃費を良くして、排気ガスが減るので経済的なのです。

部品の負担が軽減されるので、長寿命化が期待できるでしょう。

HARDOXの価格について

HARDOXの価格について

HARDOXの価格は、普通鋼と比べると少し高価です。

しかし、耐摩耗性の高さから、部品の交換頻度を減らすことができ、ランニングコストを減らすことで、トータルコストを抑えられます。


普通鋼と比べた費用対効果として、以下の特徴があるのです。
 

  • 同じ費用であれば、約5倍長持ちする。
  • 同重量であれば、約5分の1の費用で済む。

HARDOXの参考価格としては、以下となります。
 
参考商品 大きさ 参考価格
普通鋼 横300mm x 縦300mm x 厚さ9mm 4,000円程度
HARDOX 横300mm x 縦300mm x 厚さ10mm 4,500円程度

HARDOXは、海外の鋼材ですが、日本で多くの鋼板加工販売会社で取り扱っているため、相場価格が明確です。

HARDOXの注意点

HARDOXの注意点

HARDOXは、高い性能を誇る鋼材ですが、注意点があります。

使用する際は、注意点を確認して本来の性能を活かせるようにしましょう。

4ー1.熱による切断の際は硬度低下の恐れあり

熱による切断の際は硬度低下の恐れあり

HARDOXは、熱による切断(熱切断)を行う際は母材の硬度が低下することがあります。

なぜなら、切断した端部に亀裂が生じる切断エッジクラックが発生するからです。

エッジクラックが生じた場合は、亀裂が本来の性能を発揮できません。

なので、切断した端部に亀裂が生じる切断エッジクラックや、小片の切断の際に注意が必要です。

切断エッジクラックのリスクを回避するために、以下の対策を検討してください。
 

工程 対策
切断前 バーナーや加熱炉などで予熱を十分に行う。
切断時 切断エッジクラックが起きないように、ゆっくりと切断する。
切断直後 後熱として、バーナーや加熱炉などで加熱処理を行う。
切断後 切断箇所を常温までゆっくりと徐冷を行う。

さらに、硬度低下のリスクを抑えるためには、以下の対策を検討してください。
 
  • ウォータージェット切断のような冷感切断を行う。
  • 水中切断を行う。

これらの対策を施すことで、硬度低下のリスクを抑えることができます。

4ー2.穴あけ加工時に振動が大きいと機械工具の寿命が低下

穴あけ加工時に振動が大きいと機械工具の寿命が低下

HARDOXは、穴あけ加工時に振動の振動が大きくなると、加工に使う機械工具がすり減り、寿命が短くなります。

理由としては、加工対象のHARDOXが非常に高い硬度を持つためです。

作業時は以下の点に注意しましょう。
 

  • 切削油を十分にかける。
  • ドリルを出来るだけ短くして、ドリルとアームの距離を最短にする。
  • 加工物をクランプで固定する。
  • 常にクーラント(冷却水)を使用する。

これらを行うことで、振動を抑えて機械工具の寿命を伸ばすことができます。

4ー3.ねじ切り加工時にネジ跡の寿命が低下することがある

ねじ切り加工時にネジ跡の寿命が低下することがある

ねじ切り加工はタップ加工とも呼ばれ、HARDOXにネジ跡を作る加工方法です。

ねじ切り加工時に発生する振動が原因で、ネジ跡の寿命が低下することがあります。

作業時は、以下の点に注意しましょう。
 

  • ネジ強度に問題がなければ、下穴の径を若干大きくする。
  • 硬度の高い材料に耐える、4重フルートのタップを使用する。

これらを行うことで、振動を抑えてネジ跡の寿命を向上できます。

4ー4.フライス加工時に安全性に留意する

フライス加工時に安全性に留意する

回転軸に取り付けたフライス盤という切削工具を回転させて行うフライス加工は、安全性に留意する必要があります。

なぜなら、振動により事故につながる恐れがあるからです。

作業時は、以下の点に注意しましょう。
 

  • 加工物をしっかりとクランプする。
  • ユニバーサルヘッドは工具固定や動力伝達が弱いため、出来るだけ避けること。
  • 振動が発生する可能性があるので、カッターの中心線をカットすることは避ける。
  • 回転式の切断法を行う。

以上の点を守れば、安全な作業が行えます。

HARDOXの適用事例

ここまでに、HARDOXの特徴と注意点について述べてきました。

次に、HARDOXは具体的にはどのような用途に適しているかについて紹介します。

5ー1.ブレード

ブレード

ブレードとは、建築土木機械の、土をすくい上げる部分の周りを囲うための部品のことです。

土木建築において、土砂と絶えず接するため摩耗が激しい箇所になります。

この部分を、耐摩耗性が高いHARDOXに張り替えると、以下の利点があるのです。
 

  • 従来の鋼材よりも、軽量化できるため機械の負担を軽減。
  • 磨り減りにくいので部品の交換、修繕回数を大幅に減らせる。

ブレードには、摩耗に強いHARDOXの利用が最適です。

5ー2.グリズリーフィーダー

グリズリーフィーダー

グリズリーフィーダーとは、給石機において原石をふるい分けるための部品のことです。

石を粉砕する作業で、石とぶつかるため摩耗が激しい箇所になります。

この部分を、耐摩耗性が高いHARDOXに張り替えることで、以下の利点があるのです。
 

  • 磨り減りやすいところだけを、HARDOXを使用することで、全体の寿命を均等にできる。
  • 摩耗に強いので、部品の交換、修繕回数を大幅に減らせる。

グリズリーフィーダーには、耐摩耗性の高いHARDOXの利用が適切です。

5ー3.ダンプ荷台

ダンプ荷台

ダンプ荷台とは、ダンプカーの後方の荷台部分のことです。

様々な貨物を積み込み走行時の振動が生じるため、摩耗が起きやすい箇所になります。

この部分を、軽量なHARDOXに張り替えることで、以下の利点があるのです。
 

  • 軽量化により、燃費の向上。
  • 耐久性アップにより、高積載が可能。
  • 丈夫であるため、部品の交換、修繕回数を大幅に減らせる。

ダンプ荷台には、軽量で耐久性が高いHARDOXの利用が向いています。

5ー4.ホイールローダーバケット

ホイールローダーバケット

ホイールローダーバケットとは、ホイールローダー前方の土砂をすくい上げる籠状の部品のことです。

ホイールローダーとは、トラクターショベルのうち、車輪で走行するものを指します。

土木建築において、土砂と接して激しい摩耗が生じる箇所です。

軽量なHARDOXに張り替えることで、以下の利点があります。
 

  • 重さを半分にしても長持ちするため、機械の負担を軽減できる。
  • 耐摩耗性能があるため、部品の交換、修繕回数を大幅に減らせる。

ホイールローダーには、摩耗に耐えるHARDOXの利用が適切です。

5ー5.抽出口シュート

抽出口シュート

抽出口シュートとは、プラント設備において、破砕した塊が出る箇所です。

原料を粉砕する作業で、硬い原料とぶつかるため摩耗が激しい箇所になります。

この部分を、耐摩耗性が高いHARDOXに張り替えることで、以下の利点があるのです。
 

  • 磨り減って穴が開くことを防ぐ。
  • 摩耗に強いので、部品の交換や修繕回数を大幅に減らせる。

抽出口シュートには、擦り減りにくいHARDOXの利用が適しています。

まとめ

まとめ

HARDOX(ハルドックス)の特徴と価格についてご紹介しました。

HARDOXは、優れた硬度により、機械の耐摩耗性を最大限に高めます。

状況によっては、耐用年数を最大10倍にも延ばすことが可能です。

適用実績としては、ブレード、グリズリーフィーダー、ダンプ荷台、ホイールローダーバケットなどがあります。

とはいえ、扱う上での注意点もあるので、この記事でHARDOXについての特徴などを把握し、他の製品との比較をして、最適と判断したら使用を検討してみてください。

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