鉄鋼材料の種類とは?選定方法や加工方法

鉄鋼材料とは、工業系の材料の中では値段が比較的に安価で手に入りやすい易く、強度に優れているので、いろいろな用途に使われています。鉄鋼は鉄道やビル・橋などの公共の物、そして自動車や住宅など、さらに身近なもので言うと、キッチン周りには多くの鋼材が使われています。

鉄鋼材料の種類とは?選定方法や加工方法のイメージ

目次

  1. 1鉄鋼材料とは?
  2. 2鉄鋼材料の種類とは
  3. 3鉄鋼素材の選定方法とは
  4. 4鉄鋼素材の加工方法とは
  5. 5まとめ

鉄鋼材料とは?

金属

鉄鋼材料とは、工業系の材料の中では値段が比較的に安価で手に入りやすい易く、強度に優れているので、いろいろな用途に使われています。鉄鋼は鉄道やビル・橋などの公共の物、そして自動車や住宅など、さらに身近なもので言うと、キッチン周りには多くの鋼材が使われています。

このページでは、鉄鋼材料の種類とは?その選定方法や加工方法についても解説します。身近なものではどのようなものがあるでしょうか?周りを見渡すと、鉄鋼材料が使われているものが見つかります。

冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機など、キッチンでは調理具に沢山あります。鍋やフライパン、トングや包丁など、色々な種類の鉄鋼材料が使われていますね。

鉄鋼材料の種類とは

鉄鋼

鉄鋼材料は以下9つの種類に分類されます。

  • 種類①機械構造用鋼
  • 種類②建設用鋼材
  • 種類③高張力鋼
  • 種類④厚板・薄板
  • 種類⑤線材
  • 種類⑥ステンレス鋼
  • 種類⑦電磁鋼鈑
  • 種類⑧表面処理鋼板
  • 種類⑨鋳鉄

それぞれ使う用途に合った鉄鋼材用を選ぶことが大事です。ここでは、種類ごとに特徴を解説していきます。

種類①機械構造用鋼

機械構造用鋼とは、モリブデン、クロム、ニッケル、炭素などの元素を含んで、強度や耐疲労性、焼き入れ性などに優れた特性をもつ特殊鋼です。主に自動車や建設機械、産業機械などの重要な部品の材料として使われています。

種類②建設用鋼材

建設用の鋼材には以下のようなものがあります。建築構造用圧延鋼材 SN400A, SN400B, SN400C(SN490A, SN490B, SN490C)など

建築構造用圧延鋼材(SN材)これまでの一般構造用圧延鋼材(SS材)や溶接構造用圧延鋼材(SM材)に対して、建築構造専用の鋼材として開発されたものです。耐震性を確保するために鉄骨造建物は、建築物を構成する各部材の変形能力向上が重要であるとの認識が高まっています。

これに伴って、素材としての降伏後の伸び能力向上のため鋼材の降伏比を低く抑えた低降伏比鋼となっています。降伏比とは(降伏比=降伏強度/引張強度)のことです。

このSN材は降伏比を80%以下に抑えて、降伏後の変形性能を確保しています。建築鉄骨の特徴的は柱梁接合部が他の分野と異なります。柱梁接合部位の板厚方向の引張耐力を高めて、さらに溶接性能を改善したことがSN材の特徴です。

種類③高張力鋼

高張力鋼(こうちょうりょくこう)とは、引張強度490N/m㎡以上の軟鋼をいいます。
一般的に使う軟鋼は普通鋼といいます。

耐火性のある鋼材や特殊な性能を持った鋼材は特殊鋼の扱いです。また、超高張力鋼とは引張強度が1,000N/m㎡を超える鋼材いいます。柱や梁部材に、高張力鋼を使うことはあまりないのですが、一般的に使う「高力ボルト」は、高張力鋼が使われます。

種類④厚板・薄板

  • 薄板(うすいた)は3mm未満の鋼板をいいます。
  • 厚板(あついた)は6mm以上の鋼板をいいます。
一般的な薄板の用途は外壁や天井の下地材で使うのに対し、厚板は柱や梁など構造部材として使われていいます。

ただし、住宅メーカーによっては薄板による軽量鉄骨を主柱、主梁として使うこともあります。薄板は3mm未満の鋼板ですから溶接は出来ないので注意が必要です。溶接は、溶接棒と鋼材の一部を溶かして一体化するので、薄板では厚みが足らず、熱によって鋼板が溶けてしまう事が溶接出来ない理由です。

薄板を接合する場合は、ボルトで接合することが基本です。

種類⑤線材

断面が円形で太さが5mmから50mm程度、細くて長く、針金状に熱間圧延して、コイル状に巻き取った鋼材をいいます。コイルは大きいもので長さは1万m、重量は3トンにもなります。

  • 普通線材は炭素含有量が0.09%以上0.25%以下の軟鋼及び極軟鋼
  • 特殊線材は炭素含有量が0.09%以下の低炭素、及び0.25%以上の高炭素
に分けられます。

【普通線材の用途】
鉄線、針金、釘、金網、ねじ類など二次製品の素材

【特殊線材の用途】
強靭性や耐久性などを要求される鋼索、鋼撚り線、線ばね、タイヤ芯などの素材
その他被覆アーク溶接棒や心線用に使われています。

種類⑥ステンレス鋼

いつまでも美しい状態を維持するといわれる鋼で主に鉄に11%以上のクロムを含む合金鋼です。表面に不動態被膜という非常に薄い保護被膜を形成する働きを持つため、錆びに強いことが特徴です。ステンレス鋼の耐食性は、クロムの含有率が高くなるにつれて不動態被膜が強固になって耐食性が良くなります。

耐食性をはじめ、機械的性質、加工性、耐熱性など優れた特性を持っているので、食器や厨房用品、建築材料、機械構造部品、医療機械器具、化学工業設備部品、航空機部品など様々な分野で使われています。

種類⑦電磁鋼鈑

電磁鋼板とは、モーターや変圧器の鉄芯として積層して使われる材料です。身近なものですと、エアコン・洗濯機など多くの電気機器にはモーターが使われていますね。

電磁鋼板は、「電気」を「磁気」、そして「力」(ちから)に変換する重要な役割を持っています。電磁鋼板が使われている代表的なものには、以下のようなものがあります。

  • 発電所の発電機
  • 超高圧変電所および一次、二次変電所の変圧器
  • 工場の動力用モーターおよび変圧器
  • ビルの変圧器、冷房機、空調用モーター、蛍光灯用安定器
  • 列車や自動車の関係では動力用モーターおよび冷房用モーター
  • 道路照明の安定器など

電磁鋼板は、私たちの身の回りでも活躍しています。洗濯機および脱水機用モーターや、パソコンのハードディスク内の磁気ディスクを回転させるモーターなどに使われています。そのほかに扇風機のモーター、冷蔵庫やエアコンのコンプレッサー用モーター、ノーとパソコンのACアダプタなど身近なものでも活躍しています。

種類⑧表面処理鋼板

鋼板は圧延直後そのままの状態で使用すると、やがて表面が酸化、腐食してしまうので、鋼板の表面を亜鉛やすず・ニッケル・クロムなどの金属元素でめっきしたりします。
また、塗装やプリントをしたり、樹脂を被覆したり、さらには合金化するなどの加工処理がされます。


●亜鉛めっき鋼板
亜鉛めっき鋼板は高付加価値製品として色々な分野で活躍しています。
亜鉛めっき鋼板は、冷延鋼板などに亜鉛めっき処理をした鋼板で、耐食性に優れた表面処理鋼板の代表的なものです。
自動車をはじめ、建築や家電製品など、各種の構造部材に幅広く使われています。

製造方法には溶融めっき法と電気めっき法の2種類がありますが、溶融めっき法の方が電気めっき法より、めっき層が厚く仕上がります。

亜鉛のほかにアルミニウム・ニッケル・クロムといった合金元素を加え、それぞれの特性を発揮させた複合合金めっき鋼板もあります。

●塗覆装鋼板
塗覆装鋼板建築物や家電などで幅広く使用されています。


プレコート鋼板は、樹脂塗料を焼付塗装したり、ポリエステルなどの樹脂フィルムを貼ったりした鋼板です。

塗膜には、加工性や耐疵付性、対汚染性、対候性などが要求されます。
塗装亜鉛めっき鋼板は、亜鉛アルミニウム合金めっきを下地に合成樹脂塗料を塗装して焼き付けした鋼板です。

●ブリキ
昔懐かしい、ブリキのおもちゃに代表されているめっき鋼板です。

圧延した薄板に錫(すず)をめっきした鋼板です。
缶詰の食缶、飲料の缶、などの各種容器に幅広く使われています。

錆びが発生しづらく、塗装や印刷、半田付けなどの加工・接合に優れています。
また、すずめっきの代わりに電解クロム酸処理を施し、塗装・印刷に優れたティンフリースチールも開発されていて、各種容器に使用されています。

 

種類⑨鋳鉄

これまでに説明した圧延して鉄鋼材料をつくるのではなく、溶鋼から鋳造したり、鋼塊などの素材を鍛造したりして製品にする方法です。圧延法と違って複雑な形状をした製品をつくることができます。

  • 鋳物用銑鉄(鋳物業界向けの原料用銑鉄)
  • 鋳鋼品(強靭性に優れた複雑形状の製品)
  • 鍛鋼品(鍛錬で機械的特性が向上したもの)
  • 粉末冶金製品(複雑で高精密、複合合金も容易)
があり、使用目的や製品によって使い分けられます。
 

鉄鋼素材の選定方法とは

鉄鋼 素材

鉄鋼材料を選定するポイントは、何を要求するかによって決められます。考慮するポイントとしては以下があげられます。

  • 加工しやすい材料か
  • 錆にくい材料か
  • 見た目がきれいな材料か
  • 鋳造しやすい材料か
  • 硬い材料か、耐摩耗材料か
  • 熱伝導率が良い、または悪い材料か
  • 強度がある材料か
  • 溶接しやすい材料か
  • 安価な材料か

鉄鋼素材の加工方法とは

金属部品の加工方法は「機械加工」・「熱処理加工」・「表面処理」の3種類に分けられます。ここでは、この3種類について、詳しく解説をしていきます。

機械加工とは

機械加工は、材料から製作図面に示された形状に加工することです。ここでは、「成型加工」・「付加加工」・「除去加工」・「接合加工」の順に解説していきます。

成形加工

成形加工では、

  • 材料を溶融して型に流し込んで形を作る鋳造(ちゅうぞう)。
  • 大きな力で材料を変形させて形を作る塑性加工(そせいかこう)。
  • 金属粉末を型で成型して、高温で粉末同士を結合させ強度を得る焼結(しょうけつ)。
などの加工法があります。

付加加工

付加加工とは、必要な部分に別な材料の部品を付加して所定の形状を作る加工方法です。
複数の金属でも目的の形ができるので、複雑な構造の航空機のエンジン部品にも使割れっている例もあります。最近では3Dプリンターによる積層造形も注目されています。

除去加工

除去加工はその名の通り、不要な部分を削り取って目的の形状にしていく加工方法です。

  • 切削加工は、刃物により材料を削って目的の形状にする。
  • 研削加工は、砥石により材料を削って目的の形状にする。
  • 砥粒研磨は、砥粒により材料を削って目的の形状にする。
  • 放電加工は、電極と材料の間で放電させて材料を削って目的の形状にする。
  • 切断加工は、溶融あるいは高エネルギーで材料を切断する

結合加工

部品どうしを結合して機能や形状を作っていく加工方法です。例としては、以下のようなものがあります。

接着・溶接・半田付け・カシメ・圧入・焼バメ・ロウ付け・ボルトナットやねじ固定などが結合加工と呼ばれています。

熱処理加工とは

鋼材の熱処理加工には、2つに分類され、全体熱処理と表面熱処理とに分けられます。

全体熱処理

全体熱処理は、製品全体を加熱/冷却することにより、製品全体の組織を改質善する処理をいいます。

「焼入れ」や「焼きもどし」などの調質や「焼ならし」・「焼なまし」などがそれに当たります。

0℃以下に冷却するなどして材料の合金成分を固溶させる材質改善する「特殊熱処理」も全体熱処理に含まれます。
 

表面熱処理

表面熱処理は表面層だけを硬くして、耐摩耗性を向上するための表面熱処理方法です。

一般的な表面硬化熱処理では、浸炭、窒化などの化学的表面硬化の方法と、高周波焼入れや炎焼入れなどの物理的表面硬化方法の2種類があります。

  • 化学的表面硬化は、表面層の化学成分を変化させて硬くするものです。
  • 物理的表面硬化とは、表面層だけを焼入れによって硬くするものです。

いずれも表面層だけを硬くする目的ですが、浸炭や窒化は表面層の化学成分が変化して、耐摩耗性や耐疲労性が良好になります。また、高周波焼入れや炎焼入れは、耐摩耗性よりも耐疲労性向上に有効な方法です。

表面処理加工とは

表面処理とは、強度や耐久性を高めることを目的として、材料の表面に施す加工のことをいいます。

  • 電気化学処理
  • 塗装
  • 物理的表面処理
などをいいます。
 

電気化学処理

電気化学処理は一般的に「めっき」と呼ばれ、酸化しやすい金属などの材料の表面に、液中で金属の薄膜を被覆する処理のことをいいます。

材料や製品の目的に応じて、亜鉛や合金、クロメートなどを使用した色々な被覆処理が行われています。電気めっき・無電解めっき・3価クロム化成処理・りん酸塩処理・アルマイト処理などがあります。
 

塗装

あらゆる物の表面に塗料を塗布することにより、塗膜層を形成させるプロセス(加工工程)です。

塗装は私たちの身近なあらゆるものに使われています。金属、プラスチック 、プラスチック、コンクリート、ガラス・セラミック ガラス・セラミック ガラス・セラミック、木材などです。

塗料をそのままの状態で塗料を移行する方法を「バルク塗布」「ロールコーティング」「フローコーティング」などと言います。又、スプレーなどを使用して、塗料を一度「霧」にして塗料を移行する方法を「霧化塗布」「スプレーコーティング」といいます。

物理的表面処理

粒上物を空気圧等で材料にぶつけることにより、材料の表面を硬化、錆とり等の改善をするショットブラスト(ショットピー二ング、サンドブラスト)という方法もあります。

まとめ

鉄鋼 素材まとめ

これまでに鋼材の種類や特徴について解説してきました。

木材でもそうですが、金属も目的に合った材料や加工処理そして表面処理が必要です。鉄鋼素材の選定方法を参考にして、より適切な材料や加工を選びましょう。

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